青天の霹靂
続き。
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病院で一夜を明かし、
朝になっていた。
眠れたのか、眠れなかったのか、
本当に覚えてない。
とにかくわたしはこの辺りの記憶がない。
時系列もわからない。
気がついた時、婦人科から消化器外科へと担当が変わってた。
見た目は単純に医師には見えなかった。関西弁。
しかも同い年。誰やねん状態だったわたし。今思えば大変失礼な話笑
とにかくあっけらかんと残酷な現実を言うてくる。
先生 何か変なもん食べました?
私 え〜昨日も聞かれたんですけどお腹痛かったからそれどころじゃないわい。「心の声」
先生 うーーーん なんやと思います?
私 えーー盲腸とか?
先生 いや、もっとやばいですわ。もっと悪いもん。
私 えーーーもう悪いって、、なに、ガンとかですか?
先生 うん、おそらく、99%
私 はー?!?!!?
パニック。
どかーーん。
頭の中で何かがバリバリめりめり音を立てて崩れた衝撃。
追い討ちをかけるかのように
先生 腹腔で手術しますが、酷かったら開腹します。そしておそらく人工肛門になります。永久です。
.
.
.
.
.
はーーん?
.
.
.
.
頭の中の壊れたガラクタが粉粉になってシャラシャラ消えていく感覚。
人工...肛門?
幸いな事なのかどうかはらわからない。
けれど、わたしは人工肛門がどういうものか分かっていた。
肛門から排泄できない方がお腹に袋をつけて便を受け止めるシステムだというのをその昔NHKの
ドキュメンタリーで見ていた。
何となくわかってるからこそ、
冷静にパニックだった。
わたしが?
ガン?
ほんで、人工肛門なるのかいな?永久に?
いやいやいやいや
うそやん絶対。
あるわけないやん、そんなん。
すかさず私は聞いた、
私 明日まで考えます
先生 いやいや待てないです、死にますよ?
はーー?!?!
わたし
死にそうなんですか?!?
パニック。
もう大パニック。
盲腸や思ってたのに。
ガン?
大腸が破れてつなげない?
人工肛門?
死にそうなん?
はいー?!?!!??
思考回路ぐちゃぐちゃのなか
弟が聞いたこと、今でも覚えてる。
弟 人工肛門は元に戻せるんですか?
先生 オススメはしない。できないでしょう。
終わったな、ってなった。
何もかも。
助かっても、身体が変わる。
間違いなく、今まで通りじゃなくなる。
そんな衝撃を受け止めたのか受け止められたのかはもう覚えてない。いや
受け止められるわけがない。
ずっと意味がわからなかった。
分かりようがなかった。
お腹はおかしくなるくらい痛いけれど、
何故かその時だけは頭が冴えていた。
それから手術までどのくらい時間があったのだろうか。
まったく記憶はない。
ただ、親友にLINEしたということは覚えてるし、
手術室には手を振って入って行ったそうな。
本当に全く覚えてない。
親友に送ったLINE。
わたし、人工肛門になるって
涙がでる。
そんなLINEが残ってた。
そのLINEを最後にわたしは携帯を手放し、
怒涛の手術、入院生活と続いていくのだった。
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