ICUでの日々②
ここでは時系列は気にせずに、
私の記憶の中のICU話をしたいなと思う。
爆音フェスと天井と壁からやってくる謎の浮き上がり模様、それから相変わらずの機械音。
そんな環境化で、一人の看護師さんが私のネイルに気がついてくれた。
あら綺麗〜
そうだよなぁ。
本当はオペ前にオフだよなぁ。と。
とにかくいろんな事をすっとばしての手術になったものだから、
私の手にはまだジェルがついていた。
剥がせる?
看護師さんに言われ。
そうか。剥がさなきゃ。
まだ綺麗なのになぁ。なんて、頭はおかしくなりながらもそんな事を考えてた。
私のやる事はジェルを剥がすこと。
ちびちびとめくっていく。
何とも悲しい。
ジェルがいなくなった爪はそれはそれは寂しい事になっていた。
でも謎の達成感。
やらなきゃならないことができた。
ただそんな感じだった。
ずっと寝てるだけ。
検温や採血、医師の診察。
それだけの日々。
だから少しだけ何かをやれた気がした。
とにかくやれない事だらけだったから。
術後直ぐは水も飲めなかったから
看護師さんがもってきてくれるお水でうがいをするだけ。
これが本当にわたしのオアシスだった。
生き返るわ〜そんな感じ。
まじ神〜ってなった。
ICUの看護師さんは本当にすぐに来てくれる。
ナースコールをピッと鳴らせば直ぐに。
うがいしたい。
それだけの為に鳴らすのが申し訳なくもなったけど、私にはそれがないと辛かった。
真夜中でも。
ありがたすぎる。
ちなみに常に氷水を要求したので、
私の部屋の前には
氷!
って紙が貼られていたらしい。by姉談
面白い笑
結局ICUには6日間程いたのかな。
頭がおかしくなってからというもの、
とにかく早く上の病棟に上がりたかった私。
この閉鎖的な空間から抜け出したかった。
多分相当わけのわからぬ訴えを看護師さん達にしていたはず。
本当に申し訳ない。
上がったら大丈夫だからね。
窓もあるし。
外眺められるし。
変わる。
きっと大丈夫だ。
そんな風に思っていた。
不思議なことに、
痛みには強かった。
傷はお腹を縦にまっすぐ大きな傷だったし、
左のお腹には何やら袋がついてたし。
事あるごとに
痛くない?
と聞かれていたけれど、
あまり痛みを感じていなかった気がする。
というか、そんなことよりな事が多すぎたのだと。
そんな事より眠りたい。
そんな事より横の部屋からの爆音フェス音を何とかしてほしい。(本当は何も鳴っていない)
あの時の私はそうだった。
涙もでなければ、
痛みにも鈍感。
自分が置かれた現実に全然ついていけてなかったんだろうな。
そりゃそうか。
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