見出し画像

臨書シリーズ 嵯峨天皇と近衛信伊、の巻

ちょっとやる気が出てきているので(笑)できる限り毎日臨書を続けていこうかな、と思い立ち、まあ毎日出なくても臨書って筋トレみたいなものだから、ちょっとずつ続けていくといつの間にか遠くに到達しているものなので、気長に続けていこうかと思います。

・・・といった矢先に、今日は臨書の気持ちが萎えていて、書いていて気持ちがいい字を書きたいな、と思い、そういうときは嵯峨天皇だろう!ということで、嵯峨天皇の『李嶠詩』の続きを書くことにしました。

臨 嵯峨天皇 『李嶠詩』
右端にサインを入れたのはわざとです
こちらが本物。赤線部分を書いています

前にTwitterでも書いたのですが、歴代天皇の宸翰には共通する特徴があります。
とにかく墨が黒々としている。これは、高級な墨を存分に使えたからでしょうね。
そのせいかかすれが少ない。線が太くてまるまるとしていて、それゆえにおおらかさと堂々とした風格がある。
嵯峨天皇は少し神経質でキリッと細くて美しい線も良く書くのですが、その時の厳しさは欧陽詢(唐の書家)の雰囲気が強くあって、元々の書の才はもちろん、ものすごく鍛錬を積重ねた人なんだろうなぁ・・・と思います。
なので、運筆速度はだいぶ遅い。トメ・ハライの最後の最後までじんわり書いています。

今日はもう一人、近衛信伊の『新撰朗詠集』の続きも。
この人の字も書いていて気持ちがいい。連綿線が綺麗で、仕上がりも美しいので書いていて爽快感があります。

臨書 近衛信伊『新撰朗詠集』


こちらが本物。赤線部分を書いています
続きのページ

近衛信伊というひとは、お公家さんなのに武士に憧れてみたり、政界においても浮き沈みが激しい人なのですが、字は割と基本に忠実というか、「こうやったら綺麗に見える」という書のセオリーに忠実な人だな、という印象を、臨書をはじめて覚えました。
橘逸勢みたいなトリッキーなことはしない(笑)
草書というよりはかな文字の書き方に準じているようで、結構筆の上の方をもって、筆をくるくる回しながら書いている感じがします。あと、リズムがいい。
連綿線の前のハライにちょっと厳しさが出るのが特徴で、厳しい線のあとに必ず大きく回るおおらかな線を組み合わせているので、爽快感が出るんですね、多分。その組み合わせがとってもかな文字っぽい。

これ以前の臨書シリーズも、あとでこちらでまとめておくつもりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?