トンネルを抜ける方法
20xx年。
ある日突然、行動の仕方、食事の仕方を指示・制限される。
最初は訳もわからず素直に従っていた。
だって怖かったんだ。
きちんと守らないと殺されるのではないかと思って。
(ウィルスに。ルールに厳しい人に。)
だって怖かったんだ。
きちんと守らないとペナルティを受けるのではないかと思って。
(陰でコソコソ言われたり、冷たい目で見られるのではないかと。)
小さい頃から染み付いた
ルール(上からの言いつけ)を守る子=いい子
の思い込みの力も大きかった。
いい子でいなければいけない。
いい親と思われなければいけない。
とそう思っていた。
中にはおかしなルールもあったが、おかしいことにさえ気づかず、もしくは気づかないふりをして、流れに流されるまま従っていた。
日に日にルールの厳しさが増し、息苦しさも募って行く。
そんなある日。
ついに息苦しさが限界を迎えた。
見えない何かに支配され、操られている気がしてだんだん腹が立ってきたんだ。
『もういいや。』と何かが吹っ切れた。
試しに自由に、普段通りにリラックスした状態で食べたり行動したりしてみた。
するとどうだろう。
最初こそ多少人の目は気になったものの、それもすぐに気にならなくなった。
もちろん殺されることもなかった。
勇気を出して一歩踏み出したその時を境に、呪縛は解かれ、少しずつ私の世界は元の平穏な世界へと戻っていった。
後にわかった。
私を支配し、操っていたものの正体を。
それは政府か?支配者層か?
いや、違う。
それは、『自分』だったんだ。
自分で自分に暗示をかけていただけだったのだ。
「〜でいなければいけない。」
「〜であるべきだ。」
「みんながしているから、大丈夫だ。」
「国や医師、偉い人が間違ったことを言うはずがない。」
「テレビの情報は正しい。」
と。
暗示がかかっているうちは、暗示にかかっていることすら気づいていない。
外から助け出そうと、たとえ全身全霊をかけて叫んでも、届かないのだ。
その暗示を解けるのは他の誰でもない自分だけだから。
気づいた気持ちに蓋をせず、向き合い、行動することで暗示は解けて行く。
少しずつでもいい。
気づいた人から勇気を出して一歩ずつ行動しよう。
そうすれば、必ず出口に辿り着くから。
#流れに逆らい立ち止まるのもひとつの勇気
#出口ではあるが、ゴールではない