「松竹座 本確」はなぜ拡散されたのか?

「松竹座で本確(本人確認)されて弾かれた」
「3階席で本確されて通ったら、1階の空席に案内された」
「入場時に本確なかったけど、座った瞬間来て弾かれた」

2月18日、正午を少し回ったところでこんなツイートが目に入った。
この日は大阪・松竹座で「東西ジャニーズJr. Spring Paradise」が開催される初日だった。13時から少年 忍者の公演が始まり、12時から入場開始となっていた。

公演が始まる少し前から、「松竹座 本確」が私のTwitterのおすすめに上がり、あっという間にツイートが広がった。これから公演に入るファンの不安な声、公演に外れたファンが怒る声、様々な意見が飛び交った。

数日が経ち、本確をされて弾かれたのは虚偽でないかとの見解が見いだされた今日、上記のツイートが拡散され、ファン界隈で話題になったのはどうしてかをひも解いていきたい。

公演の前日、松竹座のホームページでこんなお知らせが告知された。
「定価を超える価格で取引きされたチケットに関するお知らせ」と題し、転売サイトやSNSで定価を超える価格で取引されたと特定されるチケットの入場をお断りする、という内容だ。

2019年からチケット不正転売禁止法が施行され、ジャニーズ事務所でも上記の内容を禁止することは口酸っぱくお知らせしている。とはいうものの、高額なチケット譲渡がはびこっているのが現状だ。今回の当公演も定価の20倍以上の値段で取引されていた。

そして当日、冒頭のようなツイートが出回った。Twitter上では、投票機能や質問箱で情報を集めるツイートが溢れた。本確をされた席は何列目か、身分証明書は顔写真があるものでないとだめか、定価での譲渡は問題ないのかなど。

事前にある程度、怪しいと思われる席をピックアップされており、着席後にランダムで本確がある。近親者名義でのチケットで定価譲りだが、本確で弾かれた。1階の空席に案内してもらった。

今回、この虚偽と言われるツイート(フェイクニュース)が拡散されたのは下記の要因が考えられる。

①定価以上での取引を行っている人もしくは自名義でないチケットを持っている人もしくは初めての会場での「過度な不安」
②落選したファンの「大喜利」

①に関しては、フェイクニュースでよくあることだ。極度の不安に陥ると、人は情報を欲しがる。そして時に人は冷静な判断を忘れてしまう。普段であれば嘘だと見抜けることも、悲しいかな本当だと信じ込んでしまう。②は悔しさをぶつけている、とも言えるが、大喜利要素が非常に目立った。「中国語を話し続ければ本確を逃れられる」「観客よりも演者の方が人数多いのではないか」。

とはいえ、真実は現場に行った人にしかわからない。本当に本確はあるのか、空席への移動はあるのか。筆者はあくまでも、SNSでの見解とツイートが出回った当日に会場外に足を運んで見た事実を伝えるまでにすぎない。

いずれにせよ、心穏やかに推しを一目見るために会場へ足を運びたいものである。

※本記事はあくまでも、大学時代に記者まがいなことをしていた筆者の個人的な記事であり、主観であることを大前提としていただきたい。



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