もういい
非常事態が日常化している。非日常も慣れてしまえば日常だ。未曾有のパンデミックの中で誰しも自分の感覚を環境に適合させてるはず。
意識的にも無意識にも。俺もそれなりに慣れてきたと思う。大学に登校できないこと、オンライン講義、同級生にはほとんど会えない。遠距離も相まって2年付き合った彼女とも別れた。この生活に慣れた。慣れるしかなかった。
でも、どうしても慣れないものもある。薄い壁の向こうから聞こえる、祖母の見ている韓流ドラマの音。ほとんどの時間で誰かが泣いているか怒っている。本当に気が狂いそうになるほど。しかも祖母は耳の遠いから、爆音で阿鼻叫喚で満ちた物語が流れている。
韓流ドラマが流れていないときは、これまた阿鼻叫喚のワイドショーが流れている。良く分かってない人が、ちゃんと理解しようとしないまま、勝手に分かりやすいように解釈して、自信満々に言ってる。馬鹿みたい。
物事は必ずしも分かりやすい形で存在しているわけじゃないの。専門家の方が、はっきりした物言いをできないのは、何かを隠しているからじゃないの。
分からないことを分からないといえるのは誠実さの証なの。それもわからずぎゃあぎゃあ喚いて。あまりに不遜だ。五月蝿い。
部屋を変えればいいのかもしれないし、耳栓をすればいいんだけど、自室は自分にとっていわば仕事場で、その仕事場にデフォルトでストレスレベルマックスの騒音が鳴り響いてるこの環境は、非常にストレスフル。
でも祖母に、音量を下げてほしいとかイヤホンを使うとか頼むのは、面倒くさい。目も合わせたくないし。
でもなによりも嫌なのは、こうやってできない理由ばかり積み上げてる自分。なにこのどんでん返しのオチ。
最後までありがとうございました。ゆるく生きていきましょう。