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聞き取り困難のことを部署で知ってもらいたい(悶々)
毎月の部内会議、普段は遠隔参加者がいるのでオンライン併用で、文字起こしを見ながら話を聞いて、議事録を取っている。
私のノートパソコンの画面は、議事録のWordと文字起こしが半分ずつ占めており、肝心の会議のスライドが見えない点で難しい。
しかしオンラインの慣習があって良かった。
先月はハプニングがあった。
全員が本社に集まったため、オンライン不要と判断されてしまったのだ。
文字起こしなしで話を理解しながら文章を書いていくのは大きなプレッシャーである。心理的な負荷から集中力が低下して、さらに聞き取りにくくなる。
議事録があるので、と断ってマイクを繋ごうとしたが、構わず話が始まったので諦めた。
すごく孤独だ。
みんなが壁の向こうで話しているみたいで。
ポロポロとこぼれる涙をマスクの内側に吸わせて、分かった部分だけキーボードを叩いた。
口を読むか文字起こしがないと聞き間違いや漏れが多いことを、そろそろ伝えたい。
みんなは知らないから、伝え方が大事だろう。相手が協力したくなるような伝え方…
私は私の聞こえかたしか知らないから、どのくらい違うのかとか、どう説明すればわからない。
しんどいから伝えたいのだけど、しんどさばかり出すと、抵抗感を生じさせてしまうかもしれない。
実は今年の1月に、上司と先輩との教育面談の場で、資料を作って打ち明けたことがある。
二人とも時間を割いて真剣に聞いてくれた。
だけど、課長としては「周囲から遠慮されて仕事の幅を狭めるのは勿体ないから、オープンにしない方がいいと思う」ということだった。
仕事の経験豊富な課長がそう言うなら、そういう面もあるのだろうと思う。
ただ、「昔はそういうのなかったでしょ?」と言われたのが心に引っ掛かっている。
まだまだ日本での認知度は低い。
でもそれは「なかった」のではなくて「ないことにされていた」のだと私は思う。
面談終了後、デリケートなことだから情報が漏れないようにと、私の作った資料は先輩の優しさでシュレッダーにかけられてしまった。思いやりと分かっているので余計にやりきれない。
この日のカミングアウトは成功と思えなくて、そこから職場での開示は止まっている。
聞こえなくて話に入れないことも、諦めるのに慣れてきた。しかし会議において私は(後輩が入らない限りは)永遠の議事録係である。部署で飛び交う用語を覚えて、聞こえの虫食いを補えるようになってきた今でも、その日はぐったりする。
本社に全員集まるのは年に数回だけだから、今年度ハプニングはもう起こらないだろう。だけど、願うなら「壁を隔ててみんなが話している孤独」を終わりにしたい。
それはワガママなのかな。
12月の会議が来週に控えている。
とりあえず深呼吸。
ちなみに、議事録係はつらいことだけではない。議事録を完成させるのを理由に、聞き取れなかった部分や理解できなかった部分を後で質問しに行きやすいのはメリットだと思う。
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