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シンガポールの小6が受ける人生が決まるテスト

こんにちは。

こちらの記事に目を止めてくださってありがとうございます、頑張ってない駐妻はちこです。

シンガポールに住んでいると、日本とは少し違った教育文化に驚くことが多々あります。
例えば新学期が1月に始まり12月に終わる、など。

その中でも小学6年生が受けるPSLE(Primary School Leaving Examination)は、シンガポールの子どもたちにとってとても大切な試験。PSLEで進路が決まるという現実に、日本の教育しか経験してきたことがない母親として、戸惑いを感じることも多いです。

今日は、そんなPSLEについて、日々感じていることを日本人母の目線からつらつら綴ってみたいと思います。


1. PSLEとは?我が子の将来が一発試験で決まる


シンガポールの小学6年生が全員受けるPSLEは、進学先や将来の進路に直結する重要な試験です。この試験で得たスコアによって、中学校のプログラム(Express, Normal Academic, Normal Technical)が振り分けられるのです。

いわば「人生の岐路」ともいえるPSLEの重要性を考えると、自然と緊張します。


もちろん日本の中学受験とは違い、シンガポールではPSLEのスコアが決まった進路を決定するため、親や子どもにとっての負担感が強いように感じます。試験結果によって、たった12歳で人生がある程度決まってしまうというプレッシャーは、母として、親として本当に心配の種だと思います。


2. 母親として感じるプレッシャーと葛藤


シンガポールでは、PSLEが家族全体にとって大きなイベント。
主人の同僚シンガポーリアンのお嬢さんが今年PSLEでした。まだ6年生の子どもたちが恐らくキャパ以上の勉強しているのを見ると応援したい半面、「小さな身体でこんなに頑張らせていいのか」と勝手に心配してしまいました。
さらに、周囲の家庭が試験の準備にどんどん力を入れていくのを見ていると、「うちももっとなにか勉強させた方がいいのかも」と焦ってしまうこともあるとか。実際先述の主人の同僚の奥さまは、去年長年勤めていた勤務先を辞め、お嬢さんが臨む今年のPSLEのために付きっきりでサポートをしたようです。


でも、日本で育ってきた自分には、「勉強も大切だけど、それだけではなくて、他にも大事なことがあるんじゃないかなぁ」という気持ちがあります。

日本のように「のびのびと育てることも大事」という価値観と、シンガポールの「テストが将来を決める」という価値観に違和感を覚える日々です。

国土が小さい、国民のN数が少ないこの国は、(大国に比べて)数少ない国民一人一人の学力を上げる事で国力に直結させているのかな。

ちなみにドイツにも同じように小学生のうちに人生が決まるようなテストがあるようですね。今度きちんと調べてみたいと思います。


3. 子どもと家庭に寄り添うサポートの工夫


そんなプレッシャーの中でも、お友達のママさんは子どもが心穏やかに過ごせるように、いくつか工夫をしてしました。
例えば、リラックスするための時間を大切にすること。

試験のことばかり考えていると子どもも辛くなってしまうので、習い事や家族で出かける時間を増やし、「勉強だけじゃないよ」というメッセージを伝えるように心がけているといいました。
彼女の娘さんはまだ3年生だけど、、、


また、「結果ではなく、努力した過程を褒める」ようにもしているとのこと。頑張っている姿を見たら、結果に関係なくしっかり褒めてあげる。これは、どのシーンでも母親としてできる小さな応援の一つだな、と感じます。


4. 人生はPSLEだけじゃない。伝えたい「将来の可能性」


同じ幼稚園に通っていた子のママ、ジェニー(仮)さんも、PSLEの結果だけで全てが決まるわけではないと言っていました。
彼女は、香港からシンガポールに移住してきた永住権所持者。

そんな彼女、「シンガポールではPSLEが重要視されているけれど、最終的にはその後の努力や人間性が子どもの将来につながる」と考え、子どもに「自分らしさを忘れないように」と伝えている、と教えてくれました。(多分そう言っていただろう、私のリスニング力の問題)

ジェニーさんは息子に「失敗してもいいんだよ」と言い聞かせ、PSLEが終わったら家族で旅行に行く計画を立て、試験後の楽しみを準備しているそうです。「試験が終われば、また人生は続く」という彼女の言葉には、日本人の私にとっても共感できる部分が多く、子どもの心の健康を守りながら育てていくために参考にしたいエピソードだと感じました。どんな場面でも、子どもには「あなたにはもっといろんな可能性があるんだよ」というメッセージを伝えたいですね。



シンガポールでの子育ては、日本とは違う価値観との調和を考えることの連続です。


一時的に住まわせてもらってるシンガポール。

旅行するだけでは見えない、こんな一面もあるよ、と言うお話でした。


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