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サドベリースクールで出会った、OB・OGたち
子どもがサドベリースクールへ通っていると、親も参加OKなイベントがあり、多くのOB・OGに会える機会がある。その中でも特に印象的だったのは、4人組の高校生だ。たまたま保護者の方ともお話しすることができたので、感じたことを書いていく。
彼らは小学校〜中学校時代にサドベリースクールで過ごし、それぞれ異なる年数通っていた。成長した今、4人は高校生。イベントでの彼らの様子は「とても穏やかないい感じの青年」という印象だ。表情や口調に硬さがなく、にこやかに話す姿が印象的だった。
息子がサドベリースクールに通い始めてから感じたことは、スクールが子どもたちにとって安心でき、自分のやりたいことができる場であるということだ。サドベリー教育には時間割がなく、強制もない。彼らは9時から16時までの間、親や教師から解放され、自分のペースで自由に過ごすことができる。これに似た経験が私にとって大学生活で、親元を離れ一人暮らしを始めたころに似ている。自分で選んだ大学、選択した科目、そしてアルバイトや友人との交流まで、初めて自分で時間を管理し自由を手にした感覚である。
サドベリースクールの子どもたちは、そんな「自分を探し成長する時間」を早くから持っているように感じている。どんな大人になっていくのか、一般的な学校の枠を外れた選択が将来にどう影響するか不安もあったが、元気に登校する息子を見ていると、穏やかな自立した子に育つのではないかと期待している。イベントで出会った卒業生たちは、まさにそんな「穏やかな雰囲気をもった気のいい青年たち」だった。これはただの一例に過ぎないと思うかもしれないが、私が出会った卒業生全員にこの印象を感じたのだ。
現在の公教育には向き不向きがあり、息苦しく感じている子どもたちが存在している。そんな中、親が理解し、相手を尊重し合いながら自由な環境で成長した子どもたちは、心穏やかで広量な性格に育つのではないか、そんな風に考えている。