甲状腺乳頭がんの話 #3
ご観覧ありがとうございます。
前回、甲状腺乳頭がんという診断がされたことについて書きましたが、
実は病気は1つではありませんでした。
自分には橋本病という病気もありました。
これは、自分自身の首でエコー検査の練習をしていたときに見ていたのですが、
甲状腺の内部がボコボコと荒れていて、普通ではない状態でした。
橋本病というのは簡単に説明すると、細菌やウイルスなどから体を守る機能の一つ、「免疫」が自分自身を敵だと見做して攻撃してしまう、「自己免疫疾患」の一つです。
つまり甲状腺を敵と見做してしまう訳ですね。
免疫はひたすら甲状腺を壊し続けて、そのうち甲状腺の機能は落ちていってしまいます。
そもそも甲状腺が何をしている臓器なのかというと、
甲状腺はホルモンという物質を分泌します。甲状腺ホルモンは身体中の臓器に作用して代謝を調節しています。代謝の調節というのは、体温調整や脈拍、エネルギーの消費、自律神経の働きなど多岐にわたります。
橋本病の症状を説明すると分かりやすいかと思いますが、
橋本病は甲状腺が壊されることで甲状腺ホルモンが「減少」してしまう病気です。
以下に橋本病の症状を引用させていただきました。
こんなに沢山あって驚きますよね。甲状腺って本当に多くの体の機能を支えているのです。
私自身は上記の症状をあまり自覚しませんでした。
(元々疲れやすかったりネガティブになりやすい傾向でしたが、治療開始してからもあまり変わらなかったので甲状腺は関係なかったんだとちょっと残念でした・・)
また、これらの症状を自覚する患者さんは橋本病の患者さんのうち40%程度だと言われています。自覚しない人のほうが多いですね。
この橋本病の反対の症状が起こるのが「バセドウ病」です。甲状腺ホルモンが逆に作られ過ぎてしまう病気です。サッカーの本田圭佑選手が患ったことでも有名です。
甲状腺が腫れてしまったり、疲れやすさを感じる部分などは似ていますが、
橋本病では寒がりになる所、バセドウ病では汗っかきや暑がりになったりするなど反対の症状が現れることもあります。人の身体って本当に不思議だなと思いました。
また治療ですが、一般的には失われたホルモンを薬で補います。
症状がない患者さんには原則的に治療は必要ありませんし、私も症状はありませんでしたが、
私の場合は後に甲状腺乳頭がんを切除することになったので、現在ホルモンの服薬治療を行っています。
橋本病と甲状腺乳頭がん、2種類の病気が私の甲状腺には隠れていました。
これらの病気は採血やエコー検査で分かりますので、なんだか首が腫れてるかも?と感じたり上記の症状が当てはまるかも?と思ったら
甲状腺疾患を扱う病院(内分泌科や耳鼻科、甲状腺専門のクリニックなどもあります)で一度相談してみることをお勧めします。
甲状腺についてのお話はまだまだ続く予定です。
ここまでご観覧いただきありがとうございました!