【映画】「アヒルと鴨のコインロッカー」
伊坂幸太郎小説はもう全部好きなんだけど、これは特に好きな作品でしたので、アマプラ配信を機に書いてみようと思います。残酷さと優しさと怒りと恐怖と切なさと悲しさが絶妙に同居している、本当によくできた物語だと思います。そんでこれ、原作には叙述トリック的な要素があるので「どうやって映像化するんだろ」と思っていたんだけど。実にうまくやってのけています。瑛太、凄いのよ。こんなに完璧に演じられるとは思わなかった。
物語
大学入学で単身仙台に引っ越してきた椎名(濱田岳)が主人公。彼はアパートに引っ越してきたその日、引っ越し荷物の段ボールをまとめながらディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいたら、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に声をかけられます。
彼は初対面だというのにいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきます。本屋襲撃の目的はたった一冊の広辞苑。買えばいいのに「奪うことに意味があるんだ」という河崎。そして彼は「ペットショップの店長に気を付けろ」と忠告します。
彼ら2人は本屋を襲撃し、辞書強奪に成功するのですが、彼が手にしたのは「広辞林」でした。
彼は2年前に起こった、彼の元カノの琴美(関めぐみ)とブータン人留学生ドルジと美人ペットショップ店長の麗子(大塚寧々)にまつわるとても悲しい出来事を語りだします。ペット殺しを目撃してしまった琴美に襲い掛かる悲劇。ドルジが取った行動。それが2年の歳月を経て、意外な形で結末を迎える…
感想
上でも書いたけど、これ映像化無理だと思っていたんですよ。河崎とドルジをどう映像化すんの?って思ってました。いやー、完璧だった。濱田岳と関めぐみもめっちゃハマってた。もうこのメンツ以外考えられないってくらい。瑛太、完璧。ブータン人キャラもぴったりマッチしてた。「カワサキ、ニホンゴオシエロ」あたりはマジでカタコト感あったし。
ペット殺しの事件あたりからの恐怖感はヤバかったです。家まで犯人に知られてる、あの恐怖感。逃げ場がない…河崎が結構ぶっちぎれてたキャラだったからどうにかなったけど、あれは怖い。このペット殺し、どっかで見た事あるなーって思ってたら「都市伝説」で有名な関さんでした。いやぁ、演技もいけるやん。
「風に吹かれて」もマッチしてたなぁ。あれ、QUEENやBON JOVIやSTONESだとしっくりこない。やっぱあそこはディラン。まさしく神様だなぁ。
あと、細かいところではちょい役で岡田将生出てます。免許持ってないのに走り屋トークをかます謎のキャラw
とにかく観た事ない人は観てほしい。胸をかきむしるレベルの切なさがある。