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失われてしまった物達


昔、野球好きの少年が
親に買って貰ったグローブとボールで
野球帽被り、壁当てキャッチを楽しんでた

それから何年か経ち小5の頃
地域に少年野球チームが出来
誘われたので喜んで入ってみたのだが

僅か1ヶ月程で止めてしまい
また本の壁当てキャッチ少年に戻った

「何故?」と訊くと
「自分は野球観るのが好きだけど
やるのは一人が好きなんだと気付いたんだ」と


昔、球場が静かだった頃
オヤジに連れてって貰うのが嬉しかった
買って貰った弁当食べ、ポリ茶瓶の
お茶が美味かった

選手達のプレーサウンドが聴こえ
それが当たり前だった
当たり前だったものが消えてしまった


ガッツポーズや雄たけびが
スポーツマンシップに反すると言われていた
競技が、いつの間にか
警告や失格にもならなくなった

失われた物を時々思い出す
失われてどうなったのかの
その結果を時々目にする


失われてよかったと感じた記憶はない
失われてはいけない、という
見識を見聞きする事もとても少ない

過ぎ去ったウエーブではなく
消えて失われてしまった物達
消え、失われるべきではなかった
と感じる物達

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