【映画】さよなら、退屈なレオニー
映画「さよなら、退屈なレオニー」を観た。以下、ネタバレを含むかもしれません。
難解な1作であった。授業も楽しくない、習い事も続かない、といったティーンネイジャーが主人公である。家庭はやや複雑そうで、両親は別居(離婚?)していて、母親のもとで新しい父親(?)と暮らしている。けど、心は前の父親にあって、いまの父親に対してはネガティブな感情を抱いているという状況である。何事にもネガティブな主人公が、何か打ち込めるものを見つける話なのかなと思いながら観ていた。
そんな主人公はバー(?)である男性と出会い、その男性がやっているギター教室でギターを習う。そして、プライベートでもその男性と距離を縮める。恋とギターに打ち込むということを期待してしまうが、最終的に主人公はギターをやめ、バスに乗って男性と急に別れてしまう。そして、エンディングには野球場のホタルが映し出される。
ホタルが象徴するものは何か、そして主人公はどこに行ったのか、という点が分からなかった。ホタルは中盤あたりに「人工物によって破壊されたもの」「しかし、だからと言って、人工物は全てダメなのか」みたいなことが言われていたので、自然の象徴かと思っている。無理せずありのままの姿こそが、主人公であるという解釈だ。
主人公がどこに行ったかは謎である。ただ、「湾は陸から見れば視界がひらけるが、海から見れば視界が狭まる」というセリフがあったにもかかわらず、その映像がないということを考えると、湾を見に行ったという可能性もある。
単純なようで難解な映画であった。主人公が何か突発的な行動を取るときの音楽が好きだった。不気味な音楽のテンポが次第に速くなっていき、最終的には、不気味なのに視界が開けた感じ、を味わうことができた。その意味では映画館で観てよかったと思う。