【映画】永遠に僕のもの
映画、「永遠に僕のもの」を見た。以下、ネタバレを含みます。
本作の主人公は、人の家に入り込み、ものを盗むような人間である。もし盗んでいる誰かに様子が見つかれば、その人を銃で撃って殺害する。この点だけ読むと主人公は完全に悪者であるが、おそらく観客の多くは主人公を完全にネガティブに捉えなかったのではないだろうか。
1つ目の理由は、子どもっぽさである。子どもっぽさはそのルックスにも表れているし、冒頭の下手なダンス(子どものお遊戯会のように見える)からも子どもっぽいという印象を持った。何人も殺害しているので間違いなく自分の意志で殺害をしているのに、そうした描写のためか、子どもが銃を持って「つい」人を殺してしまったように見えてしまった。
また、母親との関係性についても子どもっぽいと思わせる描写があり、母親の前では良い子ぶる、逮捕されたのち逃げ出した後も母親に電話する、といったシーンは、不良のイメージとはかけ離れていた。
2つ目の理由は、純粋さにある。盗んだり殺害したりするシーンが多いのだが、「盗むな」と言われると素直にそれに従って盗みを行わない、というシーンが印象的であった。たぶんつるむ相手がワルだったからこういう悪事に手を染めているけれども、別の人間とつるんでいたらこういうことにはならなかったのだと思う。
全般的に流れる音楽のベース音が効いていてよかったので、映画館で見ると良いかなと思われた。
なおタイトルであるが、よく分からなかった。最終盤に相棒を助手席に載せながら、向かいからやってくるトラックに突っ込み、相棒を死なせてしまうというシーンがある。もし自分も一緒に同じタイミングで亡くなっていたらずっと一緒かもという印象だが、本作では主人公だけ生き残っているので相棒に対して「永遠に僕のもの」とは言えないように思われる。一体、「僕」とは何で、何が「僕のもの」なんだろうか。分からなかった。