【映画】アマンダと僕
映画「アマンダと僕」を拝見した。良い作品だと思った。何よりエンディングが素晴らしいと思った。
人生はちょっとした偶然で左右されるものである。その場に居合わせるのが10分違っただけで川を泳ぐクジラを見る機会を逃したり、テロによって殺害されるのを免れたりする。本作では無差別殺人の被害にあった女性の遺族を描いた、悲しくも希望に満ちた1作である。
被害にあった女性にはいくつかの顔がある。ある人物にとって彼女は母親であるし、別の人物にとっては姉であるし、また別の人物にとってはかわいい娘でもある。本作では1人の人間の死を通じて様々な人物が関わろうとし、摩擦が起き、支え合おうとする日々が描かれる。
彼女の娘はまだ6歳ほどなので後見人が必要である。こんなときに頼ることになるのが親族であり、本作では彼女の弟が突如として姪の面倒をみざるを得ない状況に追いやられる。突然姪の面倒をみることになることはストレスだが、同様に突然母親がいなくなって叔父に面倒を見てもらうことは姪にとってもストレスである。
それでも、お互いに覚悟が必要である。姪にとっては叔父なしでは生きていけないことを受け入れる必要があるし、叔父にとっては姪を育てるのは自分しかいないことを受け入れる必要がある。1人の人間が突然なくなり絶望的状況であるが、ここから摩擦の日々を乗り越え希望を手に入れようとするまでの日々を描く温かい1作だと思った。
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