【美術館】トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう
「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」に行った。テーマは翻訳であるが翻訳の内容は多岐にわたっていた。頭の中のイメージを日本語に置き換えるのも1つの翻訳であるし、その日本語を英語に変換するのも翻訳である。1番最初ディレクターの語りの映像があるが、その語りには英語・日本語・フランス語が入り混じっており、ルー大柴もびっくりの内容であった。自分は1ヶ国語しか話せないので頭の中のイメージを日本語に変換するだけで済むが、バイリンガルやトリリンガルは英語でいうところのare you kiddingを日本語で言うときってどんな言葉を用いたら良いのだろうかみたいなことを日常的に行っているのではないかと思った。同様に各言語にしかないような言い回しも紹介されており、例えば積読に相当する英語は外国語にはないかもしれない。
個人的に好みであったのは、聴覚の情報を触覚の情報に変換するデバイスであった。たとえばタップダンスはダンスと床を踏む音の双方がエンターテインメントであるが、耳の聞こえない人にとってはダンスしか感じることができない。それに対してこのデバイスは音がなると振動するという特徴を持っているので、ダンスと振動の対応を実感することができる。こういう視点での翻訳は考えたことがなかったので面白いなと思った。
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