【映画】6才のボクが、大人になるまで。

映画「6才のボクが、大人になるまで。」を観た。海外のこうした映画の定番として、1人の少年から1人の男性へと成長するというものがあると聞いたことがある。本作は1人の人物を追い続けているので、6才当時のかわいい主人公から、思春期の寡黙でちょっとふさぎ込んだ様子の主人公へと変容し、最後には少しずつ自分を開きつつある様子へと変わっていく様子がリアルに分かる。ただ、具体的にこのイベントを通じて主人公がこのように成長した、という点は明快ではなかったので、成長物語としてはあまり期待しないほうが良いかもしれない。

自分が本作を通じて最も良いと思ったのは、ラストシーンである。主人公と女友達が顔を合わせ心を通わせようとするシーン。主人公が幸せに溢れた笑顔で女友達を見ようとすると、女友達はちょっと顔をそらす。そのあと、主人公は幸せな笑顔を保ったまま、目線を正面に変える。すると、女友達は主人公の方を見る。この微妙な距離感を映像で表現するというのは、さすがリチャード・リンクレイター監督だなと思った。


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