【美術館】巨大映像で迫る五大絵師 北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

「巨大映像で迫る五大絵師 北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界」を拝見した。全然好きじゃなかった。残念。2000円を払う価値がないと思った。入場時間が決められていて、みんな同じタイミングで映像を見る。映像が終わらないと次のセクションへ移動できない。なんで鑑賞者の自由をこんなに奪うのか。セクションは2つに分かれているが、1つ目のセクションと2つ目のセクションで同様の絵画が描かれる。セクション1は解説メイン、セクション2は鑑賞メインという棲み分けがされていると思うが、なぜ1つのセクションでまとめてくれないのか。私のようなせっかちな人にとってはじれったく、じっくり絵画を見たい人も各絵画が映像として動く、つまりその絵画をじっくり見ようとしても気を抜くと次の絵画へと変わってしまうので、満足できないと思う。

また、西洋の絵画は1人の人にピントをしぼるなど描かれる対象が限定されているのに対して、日本の絵画はその場全体を描く点に特徴があり各人のつながりなどを絵画を見ながら想像できるのが面白いと思っているが、この展示はそれをぶったぎる。というのは、幅広く描かれてた絵画から特定の場所人物を切り取ってそこを拡大していくからだ。絵画に詳しい人が監修しているのか甚だ疑問であった(と思って調べてみると、岡田美術館館長が監修をしていて驚いた。おそらく絵画全体の構図をセクション1で把握したことを前提にセクション2で絵画のポイントポイントにズームインしていくことが想定されているのだろうが、セクション1でそこまで理解できる人は稀であるんじゃないかと思う)。

その他、ここから写真撮ってOKです、写真撮ってシェアしてPRしてくださいというタイムが設けられていたが、美術を商業的にしか捉えてないように見えて下品だと思った。親子連れで来ている人がいて子どもは楽しんでいるんだろうけど、商業的な視点でしか見えなくなっている自分に少しがっかりした。全体的に、この時間からこの時間までこの映像を見てください、この時間からは写真を撮ってください、というように運営者が来場客を管理したい感が出ていて居心地が悪かった。

ちなみにナレーションはフジテレビの佐野アナと光浦靖子。めちゃイケを思い出した。その他、伊藤若冲の鶏の絵はたしかに人間っぽく色っぽく描いているように見えて、その魅力を感じることができた。美術展のひとフロアにある感じだとこんなに文句は言わなかっただろうけど、これ単体で2000円だと高いと思った。

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