【映画】長いお別れ

映画「長いお別れ」を拝見した。中野監督作品の家族像はいつも女性が何らかの犠牲を背負っているように思える上、それを美徳のように描いているのが自分の価値観に全く合わない。本作では夫の介護の負担を担う妻と次女、異国の地で家庭を顧みない夫と反抗期の息子とともに暮らす長女という、相当にハードかつ理不尽な現状を描いているにもかかわらず、最終的には自分たちで介護してみとってよかったねみたいなエンディングで終わる。女性が負担を担う構造に対して批判的に描くためにそうした描写を描くのなら完全に同意するが、本作はむしろその構造を肯定するように描いていて、自分の価値観とはあわなかった。なぜこの作品が高く評価されているかは分からないが、登場した1人1人の役者は山崎努さんをはじめ素晴らしい演技をしていたと思う。問題は監督・脚本にあると思っている。残念。

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