【映画】荒野にて
映画「荒野にて」を見た。メモリーズ・オブ・サマーを通じて少年の成長を描いた映画の面白さを知ることができたので、そうした期待を持って本作を見ることにした。
本作は、少年がある目的地に向けて馬を連れて延々と1人歩いていくというストーリーである。ある種のロードムービーと言っても良いかもしれない。道中では色々なトラブルや苦難に遭遇する。例えば、ある出来事があって主人公は警察と話し合うこととなる。しかし、警察が少し目を話した瞬間、少年はその場を離れて歩き出す。その後、警察は追いかけ両者やりあう…とはならず、映画では次の瞬間荒野の中を少年がただ1人歩くようなシーンへと移る。
このシーンを通じて少年が広い大地の中ただ1人歩くという過酷さを頭では理解できたが、場所Aから場所Bにかけて唐突に進むよう編集されているので、どれだけ過酷な道のりであるかを自分の心で実感することはできなかった。頭では分かっているのに、心に響かないという状況である。
もちろんこうしたカット割りをテンポが良いと形容することは可能であろうが、1つ1つのシーンは割とゆっくりなペースなので、ちょっと翻弄されたというのが正直なところであった。エドガーライト的なテンポの良さは感じなかったし、この映画でもそれはあまり意図されていないように思われる。
実を言うと、映画の序盤でかなりうとうとしてしまった。自分が映画館でうとうとしてしまった作品は本作を含めて2作であるが、もう1作(さざなみ)も同じ映画監督であるようだ。ひょっとしたら、いまの自分にはあわないのかもしれない…。