【映画】ボーダー 2つの世界
映画「ボーダー 2つの世界」を見た。衝撃作。あんなキスシーン見たことない。今年観た映画の中で1番かもしれない。
以下、ネタバレを含みます。
主人公は特殊な能力を持っており、嗅覚で他者の感情を読み取ることができる。そのため、羞恥の匂いの漂う人物をピックアップして、その犯罪を告発するなどして人間社会の中で生きている。
しかし、ここでの主人公はあらゆる点でボーダーライン上にある。女性かもしれないし男性かもしれない。人間かもしれないし(人間ではない他の)動物かもしれない。善かもしれないし悪かもしれない。
主人公はボーダーの外側の異質性(動物としての主人公)を隠して人間社会の中を生き延びてきたが、自分と同じくボーダーライン上にある他のものと出会い、心が揺らぐ。なぜなら、「彼」は人間と関わって生きつつも、ボーダーラインを越えて生きていたためである。果たして主人公はボーダーラインの内側で人間として生きるのか、それともボーダーラインを越えた別の世界で生きるのか…。
北欧の森の薄暗い感じ。一糸まとわぬ姿で駆け回る様子に表象される、主人公の喜び。久々に映画館で観てよかったと思う作品に出会えた。