鎌倉散策:あじさいと歴史(?)を巡る週末小旅行

ちょっと前になりますが、土曜日に久しぶりに鎌倉へ行ってきました。今回の目的は、シーズンとなってきたあじさいを楽しむことと、これまで訪れたことがない「源氏山から北鎌倉へ」の散策コースを巡ることです。
(実際は逆回りになりましたが...)

鎌倉散策のきっかけ

今回の鎌倉散策は、学生時代に聴いたさだまさしの「縁切寺」の歌詞にある「源氏山から北鎌倉へ~」というフレーズがずっと頭に残っていて、就職して関東に来てから長いこと経ちますが、縁切寺と呼ばれる東慶寺にはまだ訪れたことがありませんでした。今回ついにそのコースに向かいます。

旅の始まり:北鎌倉駅からの散策

車での移動が大好きな私たち夫婦は、北鎌倉駅から徒歩数分のコインパーキングに車を停めて散策をスタートしました。土曜日の朝九時過ぎでしたが、駅付近のコインパーキングはすでに満車。少し離れた場所にようやく空きを見つけました。駐車料金は駅に近づくほど高くなるので、便利さと料金のバランスを考えると、早めの到着が賢明ですね。

縁切寺・東慶寺の訪問

駅前にはすでに多くの人が行き交っており、円覚寺や明月院方面に向かう人々が多かったですが、私たちは東慶寺に向かいました。東慶寺は、入り口の階段の上に小さな山門が見え、ふもとには小さな池があり、メダカやオタマジャクシが泳いでいます。境内は撮影禁止とのことでカメラを仕舞います。


写真はここまで

山門をくぐるとおそらくもとは拝観料を納めていたであろう建物がありますが東慶寺はコロナ禍をきっかけに「宗教施設は観光名所ではなく心のよりどころであるべき」として拝観料を廃止されたとのことです。
宗教施設をお参りするもののモラルが問われる事件が多発する昨今ですが、あらためてお参りする側の人間も、何のためこのお寺をを訪れるのか、考えて行動することが必要になると思います。
非常の当たり前のことなのですが、改めて問いかけられている、と感じました。

さてお寺の境内は現在「環境改善作業『大地の再生』」に取り組んでいるとのことで、よく手入れが行き届いて、美しく、歩きやすい境内から、自然本来の環境を目指しておられるとのことです。
では境内がそんなに自然の姿て草が生い茂っているのかといえば決してそのようなことは無く私の眼には美しい庭園が広がっておりました。
入って左手には古い鐘楼があり、その周りの梅の木の古さも趣深いものがあります。
本堂も美しく手入れされており、そこに釈迦如来坐像が祀られています。
静かな環境の中、ゆっくりと釈迦如来を向かい合うことができます。
そして一番奥の松岡宝蔵に行くと、入り口右手に売店があり、案内の方から「左手に聖観音立像が」と教えていただき左手に進むと、壁面に聖観音立像が安置されてありました。
すぐそこ、手の届くようなところにあり、照明は暗いものの、左手の窓から差し込む光でじっくりをその姿を目にすることができます。

北鎌倉のパン屋と散策コース

ゆっくりと境内を堪能し東慶寺を後にして車道に戻ると、「北鎌倉の小さなパン屋」を発見。なかに客が4人も入ると身動きできないような?
小さなパン屋ですが、外からみるとおいしそうなパンが並んでいます。
朝ごはんは済ませていたのですが、食いしん坊夫婦は目を合わせると店内に。
ハード系のおいしそうなパンが並ぶ中、クロワッサン、オリーブの実が入ったチャパタ、など4つほど、購入。途中の休憩時に食べようと思います。
(お店も食べたパンも写真に残ってませんでした...)

やがて車道を離れ浄智寺方向へ曲がります。
今日は浄智寺は山門だけ拝見して横の遊歩道へ。

静かな雰囲気です

スタート直後こそアスファルトの普通の道ですが、やがて石段となり、すぐに山道に。
もう少し広めの遊歩道があるのかと思いきや、かなりの山道で木の根を踏みながらの険しい道となりました。

ちょっとした登山道

これは女性がふらっと思いついてすぐに行けるような道とは思えず、さだまさしの歌詞からはちょっと想像できませんでした。
それでも20-30分で葛原岡神社に到着。

結構歩いてきました

葛原岡神社は後醍醐(ごだいご)天皇の忠臣として鎌倉幕府倒幕に活躍したものの幕府に知られ、処刑された日野俊基(ひのとしもと)を祀る神社とのこと。一方で縁結び石のご祭神 大黒様は縁結びの神様として、有名で、縁切寺と縁結びの神社が近くに並び立つのもまたこのルートの醍醐味かもしれません。

正面鳥居横には「魔去る石」という石があり、素焼きの盃をこの石に当てて割り、「魔が去る」が転じて「勝る」ということで「幸せを勝ち取る」石となったとのことです。
夫婦でそれぞれ1枚ずつ全力で気持ちよく割ってきました。幸せになれるとよいですね。

思い切り割りましたよ

源氏山公園と銭洗弁財天

で正面にはもう源氏山公園が広がっています。
テーブルもあったので、天気があまりい良いので日陰のテーブルを選んで腰を据え先ほど買ったパンを頂きます。
美味しくてついペロッと食べてしまいました。まだ午前中なのに...
高台からの景色を眺め、あじさいの小径であじさいの花を堪能しつつ、化粧坂切通を経由して源頼朝像のほうまで移動します。

あじさいの小径にて

こちらは芝生の広場みたいになっていますが、木が少なく、日影が無いので
今日みたいに天気が良い日にはあまり人が居ませんでした。


この日は天気が良すぎて...

さて源頼朝像前でひとしきりその容貌について熱く議論を交わした(?)のち、次の目的地銭洗弁財天へ向かいます。
ここから銭洗弁財天へは急坂を下って行きます。思いのほかの急坂で戻ってくることを考えるとちょっとぞっとします。

やがて崖に沿って鳥居が経っているのが見えます。
崖に鳥居があってそこにトンネルがある、というなかなか見かけない景色の中にありました。

銭洗弁財天


これほど暑い日でもヒヤッとするトンネルを抜けると、崖に囲まれたスペース内に銭洗弁財天がありました。

手水舎で手を洗い清めたら、社務所でお供え用の線香とろうそく、それにザルを200円を納めていただきます
まず本社へ参拝し、大きなろうそくから火をもらい頂いたろうそくに火を灯しお供えし、線香にも火をつけて線香台に納めます。その後洞穴の奥の奥宮へ。
奥宮を参拝したのち清水でザルに入れたお金を洗い清めます。
私は全種類のお金を洗いたかったのですが、手持ちの1万円札、5千円札、千円札、100円玉だけザルに入れて、控えめに柄杓で水をかけて洗い清めました。
これで何倍にもなって帰って来てくれれば万々歳なのですが?
その後濡れたままの紙幣を一生懸命乾かして、何とかお財布に戻せそうになったところしまうことにします。
このお金は早く帰って来てもらうためにすぐに使おうと思います。
境内内の上之水神宮、下之水神宮などゆっくり廻って再度涼しいトンネルを通って弁財天を後にします。

来るときに下ってきた急坂を頑張って登りますが、ここで私の右足ふくらはぎがつりかけます。延ばしていると大丈夫なのですが、ちょっと戻すとヤバいです。

2~3分伸ばした状態にしてやっと治まりました。
しかしこれはまたどこかで再発するかもしれず、ちょっと危険な状態です。

大仏ハイキングコースと長谷寺

なんとか源氏山公園のほうまで戻り、ここから大仏ハイキングコースに入ります。

こちらも途中までは開けた見晴らしの良い道を通っていたものの、徐々にしっかり山道となります。

深い木々の中の小径

あるところから急な下り坂となり、途中には結構相場の悪い場所もあり、やがて下り階段が現れてきて
県道32号の大仏隧道の入り口に到着し、ハイキングルートは終了となります。

急な下り坂

この時点で浄智寺入り口から2時間20分ほどでした。

ハイキングコース終点

県道に降りて、大仏方向に進み、大仏前交差点が見えてくると観光バス駐車場の多くのバスと、歩道からあふれんばかりの観光客の姿が。
さすが観光の名所で静かな北鎌倉とは訳が違います。

鎌倉に来るたびに毎回来てる気はしますが、今回も大仏様にご挨拶してきます。

お久しぶりです

その後人の流れに乗って、長谷寺方面に進みます。
県道の両方の歩道が結構観光客でいっぱいで、ところどころ渋滞しているような状況です。
長谷観音前交差点まで来ると一段と人が増えます。
さすがにあじさいの時期の長谷寺の人気はすごいですね。
お昼時の厳しい暑さにちょっと疲れた私たちは、涼を求めて交差点近くの「茶房和甘」さんへ逃げ込みます。
こちらでかき氷(宇治金時とマンゴー)を頂き一気にクールダウン。

暑い中、ひんやりなひと時

気を取り直して長谷寺に進みます。
入り口前はものすごい人、大仏より人が多いかも、という状態です。

ちなみに入り口に掲示されていた「あじさい路の入場待ち時間」は「3~4時間」となってました。
あじさい、おそるべし、です。

入り口で拝観券を購入、今回はあじさい路はあきらめ、拝観券のみ購入します。
境内に入り、地蔵堂あたりまで、深い緑におおわれた、といった風情の階段をあがっていきます。
この階段あたりの苔の付き方とか最高ですね。
地蔵堂にはたくさんの奉納された地蔵様が並んでいます。
本堂に上がると、こちらで本尊の十一面観音菩薩立像にお目にかかることができます。
非常に大きくて驚きますが、像高三丈三寸(9.18m)もあるそうです。
木彫とのことですが、表面の金がきれいで、非常にメタリックな質感で、金属製?と感じました。

本堂を出るとあじさい路の入り口があり、その前には大型ディスプレイに「xxx番まで入れます」と、まるでファーストフードか、テーマパークか、といった感じの表示がありこれまた驚きました。

この組み合わせは異質です

入り口付近では、順番を待つ方が列を成していました。

この行列を横目に見晴らし台から、鎌倉の海と町を一望できます。
以前浄明寺緑地 パノラマ台から、海と鎌倉の町と、正面に長谷寺と富士山を眺めたことがありますが
鎌倉の町を挟んでちょうど反対側から見る景色となりますが、パノラマ台に比べると鎌倉の町が近いので、より鎌倉の風景を楽しめる貴重な景色だと思います。

見晴らし台から

再度階段を下りてきて、変える前に弁財窟へ、鹿威しの涼しげな音を聞きながら、弁財窟に入ります。
中は非常に暗く、宇賀神様のあと壁面に彫られた十六童子を見ようとしますが、暗さに目が慣れないこともあって最初は全く見えません。しばらくするとやっと見えてきましたが、年を取ると暗順応・名順応にもかなり時間がかかるようです。やれやれ。

かなり高さの低い洞窟内を中腰で歩き回り弁天窟を後にし、なごみ地蔵と記念写真を撮って帰路に就きます。

あじさい路には入りませんでしたが、それ以外の場所でもあじさい他多くの花々を見ることができました。


帰路と鎌倉駅

このあと県道311号線を鎌倉駅方向に向かい、途中遅めの昼食をゆっくりととり、おなり通りから鎌倉駅へ。その後妻が「お土産を買いに行きたい」というので再度小町通に向かい、ちょっとしたお土産を買って鎌倉駅へ。ちょうど電車が来たのでホームに上がるとそこはグリーン車の位置。普通車両まで走って、すぐに電車に乗ることができました。通勤電車か?と見まごうばかりの込み具合の電車に一駅だけ乗り、北鎌倉駅で下車。乗り込む人ばかりのホームで降りるのは苦労しましたが、さらに駅の外を見ると、東口のほうは朝とは逆に明月院方面から北鎌倉駅に向かう人の行列が絶え間なく続いています。我々は東口から駐車場まで戻り、駐車料金の1日最大額1200円を支払い精算完了です。
さて、またここから家まで帰りますが、あの満員電車では当分座ることもできず長時間立ったまま帰ることを考えると、時間はかかってもこの車の楽さには代えられないな、と時代にそぐわない考えを持つ私たちも帰路に就きました。

最後に

今回の鎌倉散策は、天気にも恵まれ、あじさいと鎌倉の歴史を楽しむ充実した一日となりました。縁切寺や銭洗弁財天など、なかなか見所満載で、しっかりリフレッシュできた気がします。
妻も市内のガイドマップを見ながら「まだ行ってないところがたくさんある!」と言ってますので、涼しくなったころに、また鎌倉を訪れたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。

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