【童話】あめふらしのなみだ(5523字)
「もう、このへんでええじゃろ」
あめふらしのおじいさんがそういうと、それまでシトシトと降っていた雨がだんだん小雨になり、やがて止みました。
「もっとジャンジャカ降らせばいいのよ。こんなんできのこ、生えてくる?」
小さな孫娘のウーアは、水たまりにピシャンと飛び込むと、長靴で水を蹴り上げました。
「あんまり降らせすぎてもいけない。この森には、このくらいがちょうどいいんじゃ」
「わたし、前の森の方がよかったな」
ウーアは、すねたようにいいました。二人は今まで別の森にいた