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Last love 🌕🌙4️⃣ワタシという人間
春風と出逢った時、
私は旦那と別居中だった。
春風が20歳
私は26歳だった。
そう、既婚者だったのだ。
離婚も目前にした時、
春風と出逢った。
私からの離婚の申し出だったし
相手からの出方を待ちながら親の元でお世話になりながら何かを探しているそんな時だった。
何かを手にしては目的が達成すると手放すくせのある私は自分がこれから何をしたいのか
どうやって生きていきたいのかすら行方不明で
とりあえず毎日、生きているだけ。
若干、成人したばかりのこの若い青年と
恋などにはならないと自分に言いきせていた。
さすがの私もそれは違うと自分自身に否定していた。
春風と接するとなぜか最近会ったように思えない時があった。
旦那と結婚する前に交際していた恋人が事故で亡くなった。
当時、私は20歳で春風の年齢と同じ時。
私は最愛の恋人を亡くした。
その恋人に春風は似ている。
それは見た目じゃなく考え方なのか。
ふと出るカレの言葉だ。
最初は
【この子、まだ若いのに大人な発言するなー】
だった。
やっている事は世間でいえば
キラキラしているような事だけど。
見た目と中身のギャップが魅力なんだろうと思う。
春風と一緒の時間を過ごしていく中で
更に亡くなった恋人と重なるような発言が増えていった。
【え?今のなに?亡くなったカレが乗り移ってる?】
それくらい、
突然、重なっていく。
私が旦那と離婚する前のこの時間に
まさかこんな出逢いがあった事など知らない
両親や周囲は私を調べ始める。
こうなると私の自由はなくなるのだ。
両親は会社を経営。
どんなに私を縛り付けようが結局は自由にさせてくれていた両親もそろそろ我慢の限界ってとこか。
春風に迷惑がかかるまえに
離れなきゃいけないな。
何をするかわからない。
春風も自分の人生に葛藤しながら
毎日、必死に生きていた。
両親にも頼らずに自分の生活をバイトをしながら
やりくりしている。
私は何やってんだろ。
春風を見るたびに自分の今が情けない。
離れなきゃと思えば思う程
春風との距離が縮まっていく。
春風と離れようと思う程、
亡くなったカレと重なっていく。
私は一体…
自分でも自分がわからない日々が続いた。
結婚生活は決して幸せとは言えず
幸せな時間はあったにしろ
継続は不可能で。
周りは私を自由でわがまま、自分勝手だと言うだろうが
愛のない生活に時間を奪われていたくない。
相手にも愛情を与えられないのなら
お互いの幸せを考えたら離婚するのが一つのケジメだと思っていた。
若い男の子への自分への葛藤。
春風の幸せを考えたら私ではないという気持ちと。
それでも惹かれてしまう嘘をつけない気持ちと。
何がなんだかわからないまま。
時間だけが過ぎていった。
別居中の旦那が
今の事情を知った途端、離婚はしないと言い始めた。
そもそも
離婚の原因の一つは相手の浮気くぜや
暴言などだったのに。
私はこの人から解放される日などやってこないのだろうか。
そして
春風のアパートに行く日も増えた。
皆んなはもう身体の関係があったと勝手に思っているだろうが。
春風は私に手を出す事などしなかった。
周りがその事実を信じてもなかっただろうが。
そんな日々も
春風のお母さんに知られてしまう。
春風が怒られている横で
守れない私がいた。
私が悪いのだから。
きちんとできなかった私が悪い。
うちの両親も含め、話し合い。
春風は一生懸命、守ってくれたけど
私は春風と終わる事を考えていた。
そうじゃないと
あなたのこれからの未来を
守ってあげられないんだよ。
今は苦しくても
時間が経てば思い出に変わるはずだから。
幸せになってほしい。
それだけは本当だよ。
側には居られないけど。
絶対あなたを守ってみせるよ。
春風、
出逢ってくれてありがとう。
届きますように。