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心で生き続けている

記憶のカケラを思い出しては向き合って
拾い集めては整理して。
この繰り返しの5年間。

ここ一か月で亡くなった元カレとの日々を
思い出し、拾い集める事一ヶ月。


ツインレイの幼馴染の事や
ずっと存在を守っていた年下の想い人の事。

そして私の中で亡くなった元カレで婚約者だったカレを忘れないと生きていけなかったそんな日々の中、思い出しては泣いて前に進もうとすると
カレが私の中で大きくなっていく。
苦しくしてどうしようもなくて。

【あーこのまま私は恋愛などせずに誰とも結婚もせずにカレの事だけを想い続けて生きていこうか】

そんな風に思ったり
現実に存在しなくなってしまった事を
更に受け止めていかなきゃいけない現実に更に苦しくなっていつの間にかまたカレとの時間が私の中から消えていく。

暫くしてまた何かのキッカケでフラッシュバックしてはカレを思い出し泣いて笑って。


彼が亡くなってからもう20年以上の月日が経っている。

カレと過ごした街や出会った場所、そしてカレと私が事故に遭った場所などは今だに苦しい。

なるべく避けてなるべく見ないように
触れないようにそうやって私は逃げてきた。

きっとあの時から私は
彼の死を受け止めたくなくて
忘れてしまえば亡くなった事を現実にしないで済むんじゃないか。
いつか会えるようなそんなあり得ない事を考えて
現実逃避ばかりしていた。

色々な事が重なってメンタルの崩壊が起きた五年前。
カレの事だけではなく色々な事が私の中から消えた。

私は確か。
大好きな人達から自ら去ったんだ。
そして自分の力で必ず思い出すと誓ったんだ。

記憶が飛ぶなぁ。そろそろやばいかなぁ。
そう自分の身の危険がわかるようになってきたその頃、まずは離婚をする事を優先した。


それは私にとっても娘にとってもとても大事な事で離れて離婚もできたかもしれないが
元旦那がそれを受け入れるとは到底思えなかった。弁護士さんを入れようが裁判までいこうが
きっとどこまでも引き延ばしただろう。

離婚を必ずするのを条件に一度、家に戻ったが
結局その約束はなかったようなものになり
戻ってきた私たちに一方的に復縁を迫り
好き勝手なことをやり出し言い始めた元旦那に
もうお手上げだった。

【あーだめだ。もう無理かも】
自分で限界なのがわかった。

記憶が飛ぶ前に大切な人達にきちんと話そう。

私きっとみんなの事、忘れる。
わかる。
自分がもう限界な事。
でもこの状況から逃げるわけにもいかない。
必ず離婚はしてみせる。
そしてみんなの事、絶対思い出してみせるから。

今までは必ず誰かが正解を教えてくれたんだった。

だから、すぐに点と点が結びついていくけど。
今回は正解もない。
何かのヒントを頼りに自分を信じていくしかなかった。

五年は長かったなぁ。
コロナと共に記憶も飛び、
コロナが落ち着き、世界がまた動き始めた頃、
色々な事が動き出した。


周りの人の事も沢山傷つけちゃったなぁ。

そんな事を思いながら毎日何かしら思い出している。

もうないだろう。
そう思いながら過ごした。
日々更新されていく記憶たち。

そうか。
私はこの亡くなった元カレとの事を受け止めなきゃいけなかったのか。

最近、配信されたネトフリの
【さよならのつづき】
ここにもヒントが沢山あった。
泣きながら観て。
あ!そういえば!!!
その繰り返し。


カレのパパとママに会いたい。
カレのお墓参りも行きたい。
ずっと踏み入れられないカレと過ごした街を
私は歩く事が出来るだろうか。

亡くなったカレも配信されてる
雄介みたいな人に似ている。

あんな風に私のガチガチな思考を柔らかくしてくれる人。私はいつも怒ってばかりだったけど
カレのやんちゃで何も考えてないようで考えている。考えているようで何も考えていない。そんな
カレが好きだった。

見栄やプライドよりも
私の側にいてくれる寄り添ってくれるそんなカレが好きだった。
だからカレの為に私も支えていきたい。
そう思ったのだから。

カレは同級生だったけど
恋に発展したのは少し大人になった頃
私は東京の父と母と呼んでいる2人と
ある場所に旅行にきた。
その頃は2人の旅行先は必ずそこで
日々忙しくしている2人はそこで休息をとる。
そして私もそこによく連れていってもらっていた。
私の仕事も兼ねてそこに行っていた時に
カレと出会った。
私はカレが元同級生だった事も忘れ、
別人だと思っていたが
旅先から帰ったあと、カレと再会し
そこで真実を知る。

そんなおかしな出会いと再会。

カレとの時間。カレとの思い出。
そして旅先で出会ったカレと私にとってのもう一つの家族との出会い。
東京の父と母との時間。
カレ父と母との時間。
これからの未来の事。



ねぇ、蒼甫【仮名】
私はあなたが亡くなった事を受け入れないといけない時期がきたのかな。

受け入れたらさ、どうなるかな。
あなたは私のところから居なくなる?
一瞬さ、一瞬。
蒼甫のそばにいきたいなぁ。
とか。

また現実逃避しようとするの。

見えないものが見えるわけじゃないのに。
私、そこまで霊的なもの見えたり敏感じゃないけど。

幸せにしたいなぁ。
幸せになりたいなぁ。とか。
そう思える人がいたりそうなりたかったり。

でもそうすると
蒼甫の死を受け止めなきゃいけなくてさ。
忘れてしまう事でなんとか逃げてきたんだけど。

そろそろもうやめなさいって。

あなたとはさよならしてるけど本当の意味で
私はまだ受け止められてなかったみたい。

あなたもきっとやり残した事、未練とかあるよね。私があなただったらどうしたかな。

でも実際、
あなたはこの世界にいなくて
私は気持ちだけあの時のまま
月日だけはしっかり経っていて。
もうこの年齢だよ。

さぁ私はどうしようか。
あなたはどんな言葉を私に言うかな。

決して私に無理な事は言わない。
押し付けてもこない。
【毎日、一緒に過ごせる事が幸せ、最高】
だと笑って言ってくれるあなたが大好きだった。

旅先で少し大人になった私達が出会ったあの日、
あの日から全てが始まった。

ありがとね。
それだけはずっと変わらないんだ。


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