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父と娘の私 2️⃣


父がヤクザだったとここでサラーッと書きながら。ヤクザだけではなく。
きちんと仕事をしないと生活はしていけないので
建築やら土木やら。
車関係や。とにかく体力の使う仕事を一生懸命していた。
自分でお弁当をつくり私の面倒をみて
仕事から帰ってきたらもう一つの顔。
パパはそっちに行く時は目つきが変わる。
私は見ないようにしていたけど
子供ってさ、案外きちんと見ているんだよ?
一瞬の顔つき、態度、言葉一つ。

小さい頃といっても小学生かな。
その時はヤクザになるパパが嫌いで嫌いで。
怖かったから。
良い事してないから。
周りから怖がられるから。
何で辞めてくれないんだろう。
そう思ってた。
パパは私よりヤクザが大事なんだって😂
【子供だったから許して、みなさま😂】
泣いて訴えた事もあったけど。
何かあるとパパはどんな時でもそこに向かった。
私との時間も。
折角会えたのに。
私にとったら会えない時間。
いつか会えるその時を楽しみにして
ずっと1人で我慢してきたのに。
結局、帰ってきてもヤクザになる。
泣いて怒ってる私の頭をポンポンしながら。
泣いてる涙を指で拭ってくれて
『行ってくる』
そういって何日も帰ってこない時もあった。

都合悪そうに色々、ご機嫌を取ろうとするパパ。
一度機嫌損ねるとなかなか戻らない頑固な私を笑わせるのはパパで。
『パパの嘘つき、大嫌い』
そう言って傷つけてきたけど。

パパの子育てで大好きな所は。

きちんと怒るときは怒るけど。

その後、必ず引っ張らない事。
何もなかったように私を大好きだと行動で態度で伝えてくれる。
そしてイタズラを一緒にやってくれる。
例えばでいえば。

小さい子供がティッシュを箱から全て出すあの作業。
あれ、怒るかと思いきや、一緒にやってくれる。
小麦粉を使った料理の前。
小麦粉で一緒にあそんで粉だらけで遊ぶ
そうやって2人でゲラゲラ笑ってパパと過ごした。

【うちのパパ、最高の人でしょ?】

そうやって生きていたら自慢したい位。

どんなイタズラをしても
一緒になってやってくれて
一緒に怒られてくれるそんな父。

目尻を下げてシワシワにして。
大好きなお酒をのみながら私を自分の膝の上に抱っこして私の名前を愛おしそうに呼ぶんだ。

歌も大好きで良く歌っていた。
そしてつられて私も歌うんだ🎵
そうすると更に歌いだして
2人で笑ってる。

私が思春期になってもそんなのは続くけど、
全てが同じってわけでもなく
膝の上で抱っことか拒否するし
言う事もきかなくなる。
交わす言葉も減るし会わなくても平気な時間も増えていく。
ただ、お小遣いくれればいい。
困ったら助けてくれれば。

そんな父への扱い。

それでもめげないパパがいたけどね笑

冷たくされても尚、愛情を示してくる。
沢山の知人がいる前でも笑
恥ずかしいからやめてと言ってもやめやしない。

だから私はそんなパパからの愛情をたっぷり受取り今を生きてる。

高校生になった頃、
パパは本をよく読んでいて。
パパが読んでいる本を勧められた。
興味もなかったし📕って自分の好きなジャンルじゃないとキツかったりするよね?
感想もなにも読めなかったから。

パパは私の同級生たちにも懐かれていて。
ヤクザってしって嫌われると思ったら
『かっけー』ってなぜかオトコ達が寄ってくるし
面白い人だったからあっという間に人気者になった。

そんな姿をみて自慢だった。

パパはそこの勘違いをこれからして
周りに迷惑かけたり色々しちゃう時あるんだけどね。

パパとゆったりした夜の時間がある時は
2人で背中をくっつけながらそれぞれの本を読む。
いつも私は途中で寝ちゃうけど。

パパは少し微笑みながら
『寝てたなー』『いびきすごかったぞー』なんて一言余計な事をいって怒らせるんだ。
その会話が私達の親子の会話。

小さい頃は
パパはなんでも知ってて何でもできて
凄い!ヒーローみたいなウルトラマンみたいな。

私が大人になってくると
パパって不器用なんだな、
これも出来ないあれも出来ない。
あれ?私の思ってきた父とは違うそんな事思ったっけ。

父が出来る事。
父がやらないといけない事。

私が出来る事。
私がやらないといけない事。

そうやって考えていった。

私は学校にいくこと。
でもパパは学校行かなくていいって寧ろ
学校いくと寂しそうな顔して
朝も送ってくれて帰りも早く迎えにきてた笑

で同級生の子達も乗せて家まで届けて家に寄って
喋って。

帰るのは遅くなったりして。

パパがずっといるわけじゃなかったから
そんな時間を大切にしたつもり。

パパは仕事。
生活していく為だから。
たまにパチンコいって負けてきて。
途中からお金預けてもらって
散財する父をストップかけた事もある。

ヤクザの父には子分もいるし笑
その人達のご飯もあったり。
お小遣いも渡してたり。
大変だったとも思うけど。

因みに私はその人たちから
【おじょう】😂😂😂
やめてっていっても
『お嬢、おはようございます』
テレビの世界みたいでしょ?笑
現実にもあるんだよ!
笑えるけど。

そんな人間味がある愛情の中、
私は育ってきた。


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