ありふれた恋と幸せ 2
蒼甫と頻繁に会うようになって
降参をしてから
蒼甫と話をする事が楽になった。
学生時代、
誤解を生じた事や理由。
自分の置かれた家庭環境。
そして当時の現在。
いつもはお調子者だけど
私の側で寄り添って私の過去を一緒に苦しんでくれた。
そんな私と蒼甫が恋に落ちるのに時間はかからなかった。
蒼甫から告白される。
両思いというけど
私はそれを受け入れる事がなかなかできなかった。
当時、
幼馴染と色々あって別れていたのもあったけど
恋愛をする事に疲れてしまっていたし
蒼甫と私じゃ居るゾーンが違うというか。
私のゾーンに蒼甫を巻き込んでいいのか
迷っていた。
あと、
蒼甫のお母さんが蒼甫をとても大事にしていたので私だと反対されるとも思った。
蒼甫は私を否定しない。
寧ろ、全て受け止めてくる。
私が素直にYESを言えない事を
グイグイとYESしてくる。
それはきっと敢えて。
私が逃げてしまうから
逃げてもそれを出来るように
してくれる。
逃げても逃げても
追ってきて。
一緒に並んで歩いてくれる。
私の事も私の気持ちも置き去りにはしないで
一緒に立ち止まり隣にいてくれる。
私がずっと求めていた愛のカタチだった。
人間だから
だらし無い所もダメな所も嫌だなと思う所もあるけどそれはお互い様で。
自分のした事が相手を傷つけてしまった場合、
蒼甫はきちんと自分のした事を反省して謝って、
そして直してくれる。
私は小さい時から
同級生よりも年上と一緒にいる事が多くて
付き合うのも結婚も年上しか考えられなかった。
そんな今思えば
どうでもいい拘りを呆気なく壊してくれた。
いつそれを想って
いつ伝えたのかもう覚えてないけど。
蒼甫と付き合おう。
きちんと向き合おう。
そう想った。
素直に。
目を見てきちんと伝えた。
【好きです】
蒼甫は
大きな目👀を更に大きくして
子供みたいに喜んだ。