【短編小説】 疲れるけど頑張ります。
寒い季節は布団からすぐに出られない。
目覚ましを時間差でセットして保険をかけるが、結局何度も止めては布団に潜ってを繰り返す。
一番最初の時間に起きたことはほぼ無い。
体力が無い。意思が弱い。
ナイナイばかりの私だが、少しは良い所もある。
ちょっとだけ自慢させてほしい。
年の割には若く見える。年の割にはスタイルが良い。年の割には…
何だか見た目だけの内容になりそうなので、中身についても少し補足したい。
優しい。酒が強い。歌がまぁまぁ上手。漢字は得意な方。犬や猫に好かれる。
まだあるけどこれ位にしておく。
月曜から金曜まで出勤で、土日は仕事が休み。
2日間の休みはあっと言う間だけど、土曜日は一週間の中で一番嬉しい。
休日の過ごし方は大体こんな感じだ。
金曜の夜、仕事から帰ったら冷蔵庫に直行して缶チューハイをグビッと飲む。これが最高なんだよね!
二本くらい飲んだら、急いで風呂に入ってまた飲み直す。
明日は休みだし、どれだけ飲んでもいいの。
で、すっかり出来上がった頃には記憶が無くなって、土曜の昼過ぎに起きる。いつもこんな感じ。
日曜は、気分が乗れば買い物したり映画を観に出掛ける。気分が乗らないときは、出掛けないで携帯見たり漫画見てゆっくり過ごす。
昼過ぎ位から、憂鬱になってくるんだよね…。
週末はいつもこんな感じ。あーあ。彼氏でも居れば、もっと休みが楽しくなるんだろうな。
もうすぐ35歳か。10代がどんどん遠くなっていく。
年齢だけだと立派な大人だけど、果たして中身はそれに相応しいのか。
人生まだまだ長いし、相応しくなくとも今からだって成長していける。私なら大丈夫。
「こんな事書いてたんだ。全然覚えてないよー。」
断捨離中に見つけた5年前の日記。
確か仕事で嫌なことがあって、金曜の夜に飲んで飲んで飲みまくって、酔った勢いでスケジュール帳の開いてるページに書き殴ったんだった。
でも何でこんな事を書いたのかは全く覚えてない。
確かに私が書いたはずなのにね。
人間って不思議な生き物だ。
そんな私も、もうすぐ40歳。
今も5年前と同じような日々を過ごしている。
相変わらず生きるのって大変。
少し長く寝ただけじゃ簡単に疲れが取れないし、休みがもっと欲しい。中身もそんなに変わってないかもしれないけど、少しは成長してるはず。
そうだ。一つ成長した所を思い出した。
目覚ましをセットして、2回目か3回目かで起きれるようになった。
朝が超弱い私としては、かなりの進歩だ。
え?自分に甘すぎるって?
全然甘くないよ。若い時はもっともっと酷かったんだから。
断捨離も終盤に差し掛かり、残す所は無数の本や雑誌や手帳の山。
本棚に入り切らず積読本の固まりがあちこちにあったり、手帳なんか10数年分くらいある。
あと2時間で松田君が来ちゃう。急がないと。
疲れるけど、頑張ります。