寝和装
私は寝る時に浴衣を着る。
これが結構楽で気持ち良いので、とても気に入っている。
浴衣を着て寝る切っ掛けは、23歳の時の盲腸だ。
右の横腹が痛くなり、我慢して我慢して、とうとう痛みに耐えきれず病院に行くと盲腸だと言われた。
どうしても手術をしたくない、薬で散らしてくれとごねる私にかかりつけ医の先生が苦笑いしながら「どちらにしろうちは手術の設備が無いから、紹介状書くね」と言われ、紹介状の病院へ行く。
紹介状を読んだ先生が「どうしたの、紹介状に書いてたけど手術嫌なの?じゃあ今日はとりあえず抗生物質の点滴をして様子を見るけど、明日の朝起きて今日と同じかそれ以上の痛みがあったら即入院ね」と言った。
点滴の間中あんなに「散れー!散れー!」と念じたにも関わらず、次の日の朝の痛みは増していた。
この世の終わりみたいな顔をして病院へ行き、前日よりも痛いと言うと、緊急手術となった。
病室へ連れて行かれ、筋肉注射を打たれ、ストレッチャーに乗せられ、手術室へ運ばれている時に、その病院の偉い人っぽい先生(後に院長先生だと判明)に「あぁ、君か。手術をしたくないとごねていた人は。」と言われた。
今そんな話しなくても良いじゃねぇか!と思いながら手術室へ。
ドラマとかで見るのと同じ感じなんだな…とか思いながら麻酔を打たれ、腹を捌かれた。
後日、執刀医の先生(独身)に取り敢えず嫁に貰ってくれと言い、先生が本気の苦笑いだった事をしっかりと記載しておく。
ちなみに、もうその先生の顔も名前も一欠片も思い出せない。
そして、入院中は着替えやすさなんかを加味して、ガーゼの浴衣を着ていた。
今まで着ていたパジャマよりも何て楽なんだと感動すら覚えた。
これは良いと退院した後も私は浴衣を着て寝るようになった。
娘が小さい頃は浴衣では動きにくい場面もあったので、パジャマ生活だったが、現在はまた浴衣に戻っている。
寝る時くらいは楽で居たい着崩れを恐れない人にはお勧めである。
今日の一絵はストレッチする丹頂鶴。
やっぱり鳥ばっかり描いてんな…。
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