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七夕の周辺は何歳になってもそわそわする

わたしは七夕の時期がすきだ。
7月頃の暑くなっていく空気すこし涼しい匂いを嗅ぐと毎年そわそわしてしまう。社会人となった今は特になんのイベントもない。けれど、この23年間で刷り込まれてしまっているようだ。

ひとつは、小学生時代の七夕祭りが原因だろう。
わたしの住む地方では、七夕には学区内の人様のお家をひたすら訪ねて、うたを歌い、お菓子をねだる風習がある。ゆかたで少しおめかしをして、重たくなっていくバッグに嬉しくなって、気になるあの子とばったり会えたりしないかそわそわした。
今思うと、まちの人たちの温かさにほっとする。このご時世、変わっていくとは思うけど無くなって欲しくはないなあと願っている。

もうひとつは、高校生時代の学校祭だ。
ザ自称進学校といった学校だったが、学校祭の時には1週間まるまる授業をお休みして準備に使う。神輿や小ぼんぼり、仮装衣装に展示など時間をたっぷり使って学校で遊び呆けてたあの時間が愛おしい。
高校時代はイタい思い出も多くて、もう一度やり直したいとは思えないけど、大切な友人も沢山できた素敵な時間だった。

ハタチを越えて特段変化はなく、子ども時代の延長だと思っていたけれど、高校は卒業して6年経つし、小学校は卒業して12年経つ。気づいたらもう後戻りもできないし、思いも出来事も段々と薄れていく。

それでも7月が来たよって心がお知らせしてくれるから、受け取った優しさや愛おしい時間は忘れてしまっても消えていくものではないらしい。
忘れてしまっても案外心がなんとかしてくれる、そう思うとちょっとラクに生きられる気がする。

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