Lights_of_Life

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最近の記事

旅に出て写真を撮るということは、なんと贅沢なことだろうか。

2023年の8月と9月に、それまでフリーランスで受けていた大きな仕事が相次いで終わり、同時に自分のメンタルがかなり疲弊していることに気づいた。すぐに次の仕事を探せればよかったが、自分のスキルが不足していることも実感していたので、いったん休むことにした。その間に、いろいろと勉強をできれば、という考えもあった。 2023年の後半はまだ貯金もあり、それまで行けなかった映画や美術館、写真展に足を運んで、それなりに充実した日々だった。しかし、年が明けても自分のメンタルは一向に回復せず、

    • 街角で写真を撮るときのマナーのお話

      ストリートスナップを撮る際に、被写体を識別できないような形で映すこと(後ろ向きだったり、風景の中に小さく入るなど)が撮影マナーである、という意見を目にした。 自分自身も人がいる場所で写真を撮る身として、撮影のマナーみたいなことはよく考える。ただ、人が識別できないような写真のみ、と言われると、かなり厳しいな、というのが正直なところ。 この基準だと、例えば人が自分に向かって歩いてくる場所では一切写真を撮れない、ということになる。渋谷のスクランブル交差点などはアウトになるわけだ。

        • 欲しいカメラの種類が変わってきたというお話

          最初に写真を撮り始めたときはスマホだった。まだインスタに正方形の写真しかアップできない頃で、当時は会社勤めをしていたので、昼食休憩の際にぶらっと歩いて写真を撮って、インスタのフィルタで加工してアップしたりしていた。 そのうちに、スマホの広い画角を持て余すようになった。あそこのあれが撮りたいのに、なんでスマホで観るとこんなに小さくなってるの?と、頭の中はクエスチョンマークだらけになった。このあたりで、カメラの購入を考え始めた。海の近くに引っ越したのに、夏の砂浜で写真を撮った際に

          何でもかんでもティールアンドオレンジにはできない、と気づいた。

          いや、まあ、あったりまえのお話なんですがw Lumix G100を購入した頃、Raw現像で色味を調整することにハマった時期があった。写真を撮り始めた人間が通る麻疹のようなものなのかな、と自分では思っていた。青を少し水色に寄せるとか、ダイナミックレンジを少し狭くしてフィルムっぽくするとか、そういう類のことだ。それはそれで楽しかったのだけれど、一つ大きな悩みがあって、季節感を出すことが非常に難しいと感じるようになった。夏でも冬でも、陽の光が同じようになってしまうのだ。夏の、頭のて

          何でもかんでもティールアンドオレンジにはできない、と気づいた。

          撮影で周りが見えなくなる感覚が少し分かった、という話。

          写真を始めてからしばらくは静止画しか撮らなかったので、主に使用するSNSはXとInstagramだった。動画は、スマホで遊び感覚で撮ることはあったけれども、しっかり撮影する機会は皆無で、それ故にLumix GHシリーズやSony ZVシリーズなどの動画に特化したカメラの魅力も分からなかった。みんな動画が好きなんだなあ、とぼんやりと思っていただけだ。 今年に入って、写真を撮るために街なかを歩く際に動画も撮れないか、ということを考えた。特に狙いがあったわけではなく、ログのように自

          撮影で周りが見えなくなる感覚が少し分かった、という話。

          なぜ、自分の意見と合わないカメラ評論にカチンと来てしまうのか

          小型軽量カメラ好きである自分にとって、ここ数年のカメラ業界の動向は自分の嗜好と必ずしも一致するとは限らず、ただそれで否定的なことを言ってもなあ、と老害の可能性を秘めた一人として自制していたので、そうした状況を黙って見ている状態だった。カメラはだんだんと大型化、高性能化、高価格化していって、GM1もG5X Mark2もX-E4もGX7 mark3もその姿を消した。各メーカーから発表されるカメラで盛り上がっている人たちを少し離れたところから見つめる日々がしかし、今年、Panaso

          なぜ、自分の意見と合わないカメラ評論にカチンと来てしまうのか

          APS-Cセンサーにおける18mmと35mmの画角について

          写真を撮り始めたときはスマホだった。当時アプリ制作の検証用に所有していたGoogle Pixel 4aのカメラがそこそこ性能がいいことに気がついて、出かける際に持ち歩いてあちこち撮っていた。それはそれでとても楽しかったのだけれど、一点不満があった。それは、撮りたいものが写真の中で想像よりもかなり小さくなってしまう、ということだった。 当時は画角という概念を知らず、当然広角という言葉も知らない。レンズの焦点距離に応じての変化など想像できる由もない。仕方なく、スマホのカメラはこん

          APS-Cセンサーにおける18mmと35mmの画角について

          台湾で感じた、コンデジで歩きながら撮ることの意味

          2024年3月16日から18日まで、高校時代の友人と二泊三日で台北に旅行に行った。これまでタイやフィリピンは一人旅を繰り返していて、その際はLeicaCLで写真を撮り歩いていた。今回は人と一緒なので、いちいち足を止めてファインダーを覗くというのはあまり現実味のない選択肢になる。前日のパッキングの最中に、迷いに迷ってLeicaCLを荷物から外した。カメラはCanon G9X mark2のみというシンプル構成。正直、写真撮影は半分諦めていた。まあ、旅行の意味は写真だけではないのだ

          台湾で感じた、コンデジで歩きながら撮ることの意味

          アクシデントのような瞬間

          手前の看板と奥の人の流れを対比で撮ろうとして、シャッターを押す瞬間に手前の男性の方が看板の影からぬっと現れた。あっと思ったときにはシャッターを押してしまっていた。奥にピントを合わせていたので、当然男性はピンボケ。しかもF3.5のレンズだから、美しくボケるというわけでもない。だから、これをインスタやXにアップするかどうかは悩んだ。 とにかく粗の目立つ写真なのだが、それでもアップしたのはこの写真が好きだからだ。こういう予想外の一瞬が撮れると、個人的には本当に嬉しくなる。街で写真を

          アクシデントのような瞬間