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浦島太郎 LAST改
竜宮から亀に乗って砂浜へ帰ってきた浦島太郎は、乙姫からもらった玉手箱を亀の甲羅から下ろして、玉手箱を暫く見つめこう言った。
太郎「俺はこの玉手箱を開けたらどうなるか知ってるぜ!亀!お前が開けろや」
亀「えっ!知ってるんですか!僕も知ってるんで開けるのイヤです」
太郎「そもそも乙姫もさ、“開けないで!”というような箱をなぜ?くれたんだぁ?」
亀「そ、それは⋯ほら!箱がキレイだし、開けずに飾るだけでも素晴らしい箱じゃないですか!だからじゃないですかね、知らんけど」
太郎「まぁ、いい!亀!ほれ開けろや。俺は少し離れてお前がどうなるか見とくからさ」
亀「酷いこと言いますね。僕のことはどうでもいいんですか!僕が子供にいじめられてるのを助けた人とは思えないですね。僕はもう帰りますから、さようなら」
太郎「待てや亀!大体だぞ、お前を助けてさ、お礼に竜宮に連れていかれて飲めや騒げやは良かったけど、帰りにこんなとんでもない箱を渡すとかありえないだろーが!恩を仇で返すような行為だぞ!」
亀「そう言われると⋯申し訳ないような⋯でも、太郎さんさ、竜宮はピンサロやキャバクラじゃないんだから、あの遊び方は度が過ぎてましたよ。だから乙姫様もこのままじゃいけないと思って、玉手箱を用意して太郎さんを丁寧に竜宮から帰そうとしたんだと思いますよ」
太郎「何言ってんだよ!俺は竜宮のおもてなしを遠慮く受けるのが人の道だと思ったからこそだよ。」
亀「それにしても⋯」
太郎「でも亀!玉手箱の責任は取って帰れよ!」
亀「責任って⋯」
太郎「そうだ!お前、甲羅に玉手箱のっけてさ、あの岩場に放り投げてこいよ!お尻をクイッと上げれば岩場に放れるだろ?そうすればお前も無事、俺も無事ってわけ」
亀「僕も竜宮の一員ですもんね。わかりました⋯しかし、お尻をクイッとですか!できるかなぁ」
太郎「やるんだよ!」
亀「そんな、やるんだよ!ってさ、なんか太郎さんのイメージ変わっちゃうな」
太郎から甲羅に玉手箱を載せられた亀は、海に入り岩場に向かった。
岩場に向かう亀を確認した太郎は、亀が岩場に玉手箱を放ることを確認する気もなくて、太郎はそのまま、おっかさんが待つ家へ歩き出した。
太郎は歩きながら思っていた
⋯あんな箱、開けてたまるか⋯
玉手箱を甲羅に載せた亀は岩場に着くと、太郎が言った通りにお尻をひねるようにクイッと動かして、玉手箱を岩場に放った。
岩場に放られた玉手箱は、岩に当たりパカッと開いて中から白い煙がモヤモヤと出ていた。
それを見ていた亀は、煙のことよりお尻をクイッとやれば出来るものだと感動していたが、何気に砂浜を見るとそこに太郎はいなかった。
亀は砂浜に戻り、辺りを見回したがやはり太郎はいなくて、隠れてる様子もなかった。
亀はこのまま竜宮に帰ろうかと思ったが、あまりに身勝手な太郎に憤りを感じ、太郎にひと文句言って帰ろうと思い、亀は太郎の家に向った。
亀は太郎の家へ行く途中で、またもや子供達に突っつかれたり、甲羅の上に乗られ踊られたりとイジメにあったが、太郎への怒りもあって子供達に、岩場で体得したお尻クイッ攻撃で子供達を蹴散らした。
続く