【とくべつふろく】パクさんの世紀ーーー映像で振り返るパクさんのあゆみ【パクさんをおいかけたい】
パク・ヒョンジン選手のキャリアハイ記録達成を記念しまして、これまでのパクさんのキャリアにおける印象的なシーンをあつめてみました。
お盆休みの暇つぶしやお盆休みなどないというストレス発散等にご活用いただけると大変うれしいです。
◇2013シーズン:ブザービーターだけじゃない芸人ーなお左足以外がお茶目すぎる模様
大卒ドラフトトップ選手として注目を浴びていましたが広島が強奪した形で加入。(韓国の新卒は2015年までドラフト制、ドラフト拒否=海外入団となると5年間Kリーグに戻れないという鉄の掟がありました。サンフレッチェ広島には2012年にもファンソッコを強奪したという前科があります)
優勝したとはいえ2012年開幕前の99%減資のため補強の余裕もなく、特にウイングは過労セクションで左右2人ずつでは足りないため大卒のパクさんは即戦力扱いでした。広島のサイドの崩しで最も重要なクロス性能を買われて新卒早々ACLにつぎ込まれますが、現在よりも守備の挙動はお茶目であったし右足の扱いもオフザボールのボールを引き出す動きも全然だったので、華麗にチンチンにされていました。それでもプレースキックだけは通用しており大器だと感じさせています。
*11節大分戦*
J初アシスト。しかしこりゃ今見ると涙しか出ない綺麗すぎる崩しだな…失ったものの大きさ…
*14節東京戦*
7月の5試合5連勝首位浮上のきっかけとなったラストプレー決勝弾。広島ファン(もしくは東京ファン)の方だとおそらくパクさんと言えばコレとなるでしょう。かくいう私も現地ゴール裏で見て以来のパクさんファンです。汗でドロドロになりながら90分声を出し続けて最後にこんなFK蹴られたら惚れまっせ
*2014シーズン*2年連続の優勝で一気に経営状況が改善し#18柏好文さんがやってきたので出番が激減しましたがACLではわりと左足が炸裂しました
◇2015シーズン:超前輪駆動攻撃の飛び道具として―阪野豊史とのホットラインとやらかしに次ぐやらかし
柏好文さんが凄すぎたためレンタルで栃木SCに移籍。左SBとして安定した出場機会を得てクロスとプレースキックでアシストを量産しました。
しかし前輪駆動型のサッカーとパクさんの行く行かない判断の悪さとの相性は凄まじく悪く、プアな失点が止まらず。終盤にはスタメンを外されますが守備は最後まで改善せず残念ながらJ3に降格します。
ただ、4バックによる広いプレースペース、ドリブル兵器#11湯澤洋介とのコンビネーション、クロス絶対沈めるマン#14阪野豊史の存在はパクさんの攻撃の引き出しを大きく広げました。タッチラインでのボールを引き出す駆け引き、カットインからの右足でのクロスやサイドチェンジ、スペースへの縦パスなどアシストの内容も多彩になりました。
余談ですが栃木SCの煽りVはめっちゃくちゃかっこよいです。ブラジルW杯出場国紹介映像やNHKのリオ五輪テーマ曲PVの制作会社が栃木にあるようでそのご縁みたいですね。これをみながら一枚岩チキン片手に栃木地ビールを愉しむだけでも宇都宮まで行ってよかったと思えるクオリティでした。
http://www.fantasticmotion.jp/
*びっくりするくらい映像が残ってないので神プレー集映像でお茶を濁します1:28からが栃木でのアシストです*
◇2016シーズン:苦難と試行錯誤ー逆足配置、クロスのフィニッシャー
栃木と広島の両方で契約満了となり、これはどうなることやら(先述しましたが新卒時代にドラフト指名を蹴ったので村八分ルールにより里帰りは無理なのです)と思っていましたが、Vファーレン長崎への完全移籍と相成りました。
長崎では左WBとして定着しますが、#23梶川諒太、#9永井龍の二人の個人能力が突出しており、なんでもやろうとしてしまうため攻守の連動バランスを取るのに非常に苦慮している印象がありました。"異能"としての扱いにくさとしてはパクさんの方が大概であるので、高木琢也監督の苦悩にも拍車がかかったことでしょう。なかなか安定した勝ち筋というものが見つかりませんでした。
長崎は苦しいシーズンとなりましたが、パクさんの個人レベルで見ると、撤退してのPA水際でのボールに対する身体の向きや寄せ方には改善の跡が見られ(それでも計算がたつとは言いにくい部類でしょうが)、攻撃面に関してもインサイドハーフとのスイッチングやクロスへの飛び込みなど、クロッサーとしての役割から離れたプレーを見せるようになっています。この1年の試行錯誤が翌年の多彩なプレーに繋がっていると言えるかもしれません
*3節讃岐戦*
たまーに左足がハマりにハマる日があるのでやめられないんですよね…わかります
*19節群馬戦*
謎ミドル炸裂。謎だ…
*23節東京V戦*
長崎の試行錯誤の中でパクさんも3-5-2の逆足配置で偽SB的なボランチ仕事や、逆クロスに飛び込みヘディングシュートという新しい仕事をやっていきます。成功率的に割が合わな過ぎてうまく行ったとは言えませんでしたが、岡山でのプチブームの礎として後世の歴史家は評価するのではないでしょうか
◇2017シーズン:多彩な役割でキャリアハイとその先へーセットプレーニアすらし、ビルドアップ、インターセプトとカウンター
長崎での契約も1年で満了となり、新天地はファジアーノ岡山となりました。岩政大樹と矢島慎也の攻守の柱を失ったチームはハイライン+ポゼッションを目指してスタート。パクさんは後方のボールの落ち着かせどころと縦パス要員という新鮮な役割を仰せつかりました。
思うように成績が伸びずハイプレッシャー+ロングボールの形となるとプレス迷子となってしまい不穏な状況となりますが、持ち前のプレースキック精度に加えて、ビルドアップの安定性とセットプレーでのニアすらし役としての存在感を発揮してチームの勝ち点に貢献し始めると、役割分担の改善(ボランチとシャドウにスプリントに秀でた選手を起用して攻守でパクさんを護送船団する)によって守備の改善と攻撃の精度向上がもたらされ負けなし記録を伸ばしていきました。
豊富なフォローのおかげでパサーとしての才能も開眼するとともに遅れて入り込みこぼれ球を叩き込むフィニッシャーとしても魅せていきます。アシスト数自体は延びてこないですが、オウンゴール誘発やセットプレーの潰れ役としての貢献も数えると少なくとも15ゴールほどには絡んでいるといえるでしょう。負けなし記録を重ねるうちに得点能力に関しても最近の5試合で開眼し27節時点でゴール+アシスト数はキャリアハイに。チームも上位を狙える位置につけています
*8節讃岐戦*
初アシストとなった試合。パクさんにとってはひとつ岡山に適応するきっかけとなった試合でした。ただ、残念ながらチームが勝ち点を伸ばすまでにはもう少し時間がかかります
*12節徳島戦*
GW上位連戦を連敗して厳しい状況であったところを劇的な逆転でひっくり返しました。セットプレーのキッカーではなく、ニアすらし役となるのははじめてで、#7伊藤大介、#8石毛秀樹、#10大竹洋平とプレースキッカーが豊富な岡山独特の現象でしょう。なぜかするするとマークを外し毎試合に近いペースでニアすらしが決まり岡山の武器となっています。現在6アシストですが、その半分はセットプレーでのターゲット役によっており新境地といえるでしょう。失点シーンもまたパクさんらしい…(戦術的論理性に定評のあるロドリゲス監督にサイドチェンジでめちゃくちゃ狙われました)
*15節横浜FC戦*現在も継続中の岡山の負けなし記録はパクさんの2アシストがきっかけ。額縁に飾りたいレベルのクロスの曲線美をお楽しみください
*21節水戸戦*守備の役割分担の改善からパクさんのインターセプトからのカウンターが岡山の終盤の武器となりました。パクさんが好守を見せたという時点でクララがバク転するくらいの衝撃度があり、個人的なベストゴールです。
*23節金沢戦~26節京都戦~27節岐阜戦*
あとはフィニッシュだけというほど貢献度が高まったパクさんですが、23節でのCK直接ゴールを皮切りに5試合で3ゴールというストライカーみたいなフィーバー状態となってしまいました。今まではゴールとか何それという役割であることが多かったので、正直何を言っているか判らねえ状態です。一体パクさんこの先どうなってしまうん
◇未来へ
5年間のキャリアはどちらかというと谷の方が多いものであると思いますが、今季はそのイメージを変えてしまいそうな内容になっています。
中心選手として上位を争う位置にいるのは初めてであるので、パクさんにとっては願ってもないキャリア最大のチャンスになるでしょう。個人成績のみならずチームの成績もキャリアハイにしてくれればと願っています。
パクさんの成長はとどまるところをしらない。
では。