【書評】小松詩織が教える 司法試験・予備試験 合格のベストプラクティス
書評シリーズを開始しました。
第1弾はこちら
小松詩織さん(@komatsushiori)さんの著作です。
著者の経歴とかはリンクからTwitter飛んでみてもらうとして,本の内容についてのレビューをしていこうと思います。
まず,経歴がすごい!すごすぎる!!こんな多彩な方がいるとはって思うような人物ですね。語学や色々できるし,ちょっとネットで調べた小中高のエピソードとかも神すぎる。環境にも恵まれていたような感じを持ちますが,それでもすごい努力と才能の傑物だと感じました。
こんなに経歴がすごい人はLECの講師だった水野遼先生以来でしょうか。それ以上ですかね。グローバルさに関しては。こういう超人的な経歴の人の本を見ると,「どうせ天才のやり方が書いてあって凡人には…」とか思ってしまうのですが,本書の内容はそうなっていない。地に足の着いた勉強法でした。そういう視点を持っているからこその超人的な経歴を有するに至ったのでしょうが。
さて,著者がすごい!という話はこれくらいにして本の内容に関する感想ですが,非常に合理的な方法がまとまっています。勉強方法に関しては文句のつけようのない内容です。そもそも私に文句を言う資格などないですが…
先述した通り,きわめて合理的な内容の勉強法が具体的にしかも科目ごとの特性を意識して書かれています。短答式への着手や過去問の回し方,刑法なんかは担当の問題をどうみるのか,ほとんど完全同意する内容でした。
また論文式も同様です。特に同意したのが過去問に対する姿勢です。これは私も同様に思っているのですが,すでに現行試験になってからの過去問はサンプル・プレをあわせて17年分近いです。これをすべて分析し起案するだけでも十分ですし,予備試験,旧司法試験も含めればさらに問題は多いです。過去問を最重視する姿勢や理由,向き合い方などほぼ同意見ですし,参考になると思います。
演習書との付き合い方なども合理的な方法がとられていて非常に良かったです。メリットデメリットを考慮してどうやって演習書を使うのか,という点までしっかり説明されていて,他の勉強方法の本とは一線を画す内容です。
コラム的なものもほとんど同意見といいますか,これを言語している本はないと思いますので非常に貴重です。
5部の勉強方法に関しては細かい部分ではありますが,人によっては参考になると思いました。ノルマ式ではなく手帳でというのは自分がやっていた方法に近く,こうやって言語化するのか!と感心してしまいました。
一番の驚きは最後の著者の試験前の生活状況です。こんな忙しい環境にもかかわらず上位合格をもぎ取れるバイタリティといいますか頭の良は素直に驚愕しました。いやいや,ここまで追い込まれなくても受かる試験ですよといいたいです笑(試験が簡単ではないことは前提です)
総じて読む価値はあります。初学者から勉強に悩んでいる中上級者の方までぜひ読んでほしい一冊です。分量もそこまでないので,ある程度勉強法に関して考えている方なら1時間~2時間程度で読めてしまうはずです。モヤモヤしている部分が言語化されてすっきりするそういう内容の書籍だと思います。
一応,最後に忠告ですが,勉強方法はあくまで個々人の状況や能力,適性によっても違ってくるので完全にこれと同じことをしたからといって合格できる,あるいは合格が早くなるとは言い切れません。当然です。ですので,まずは読んでみて,本書の内容の一部でも意識したり実践して合うあわないをそれぞれで検討してみるといいと思います。
法律家とは、批判的に物事をみるべきである。常に疑いつつ,認められる前提は前提として固めたうえで物事を判断すべき。私個人の信条です。
そうしたことを意識して本書を読んでいただき,勉強方法をブラッシュアップすれば自ずと合格が地被くのではないか,そう確信させてくれる一冊でした。
ちなみになぜこの本を第1弾にしたのかというと,,特に理由はないですね笑強いて言えば最近こういう合格者の勉強方法の本ってあまり読んでなかったのでそれで久々に読んだ感じですね。
第2弾以降も司法試験関連の本の紹介を中心にその他いろいろな書籍を紹介していこうと思います。
最後に,小松詩織先生の今後のご活躍を期待しております。機会があればお話ししたい方です。
編集後記 ほとんど一瞬で書き上げてしまいました。すごい本でした。