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【論点解説】共犯で困る前にやるべきこと

刑法の勉強を教えているとよくある話です。

刑法の勉強で躓きやすいのは共犯です。共犯の理解は、非常に難しいですのでよく、共犯がわかりません!!という相談はよく受けます。

たしかに、共犯に関しては司法試験・予備試験では頻出ですし、共犯が絡まないという問題はすくないです。そのため共犯の理解をしっかりしようと思うのはよくわかります。

しかし、共犯は「修正された構成要件」です。すなわち、通常の単独犯の理解を前提に、それを修正し、共犯となることにより新たに問題が生じるのです。そのため、共犯の理解のためには、前提として、一人で犯罪を犯した場合の犯罪論の原則の正確な理解での正確な処理ができることが必要です。

 具体的に指導経験から話をすると、共犯が苦手という人の多くは、その前の論点がまだ正確に理解できていないことが多いです。また、各犯罪の典型例やそもそもの構成要件の理解があいまいだったりしています。

 例えば、強盗の共犯の問題であれば、強盗の構成要件要素や諸論点について理解がなければ、書けません。見張り行為や車を運転しているだけの人は強盗罪の文言で書いてあるような、暴行脅迫も強取もしていないです。それでも、共謀があれば共同正犯になります。

 誤想防衛と共同正犯でしたら、誤想防衛の処理ができないのであれば理解のしようがありません。

 ですから、共犯で躓いている人は、まずはほかの論点の理解が正確かを丁寧に自分で検証してみてください。どうして共犯論を持ち出さないといけないのか?その趣旨を考えてみてほしいです。


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