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MOに聴く曲5選
(M) メロトロンにどっぷり (O) 溺れるときに聴く曲。そのまま、どストレートに (M) メロトロンの洪水に(O) 溺れる曲。
ご無沙汰しております。以前、「VHに聴く曲5選」でヴァイオリン/ストリングスに関する音源をアップしたとき、ちょうどセットで準備したストックが、本記事。近頃は、古い音楽を聴く機会がめっきり減ったので、せめて個人的備忘録として「時代の音」を残そうと考えた次第です。時代を象徴する音、多くのプログレッシャーにとって、70年代初めは間違いなくメロトロンだったはず、はい。なかには、プログレ=メロトロン、と等価に考えるマニアもいたほどで、その気持ちは痛いほど分かります。70年代の、涙がチョチョぎれる 5曲をどうぞ。
☆The World Became The World☆
Title The World Became The World
Artist Premiata Forneria Marconi
Album 「The World Became The World」1974
Comment イタリアのプログレで逸早く国際的な名声を得た PFM。本盤はマンティコア (ELPの作ったレコード会社) からの国際リリース 2ndです。フォーキーなアコギの調べが一転、メロトロンがなだれこむサビで昇天しますよ。メリハリの効いた使い方ですね。
☆My Song☆
Title My Song
Artist The Moody Blues
Album 「Every Good Boy Deserves Favour」1971
Comment The Moody Blues の 7thアルバム。彼らは先駆けてメロトロンを使用 (M.Pinder) したことから、プログレの草分的バンドに扱われます。議論の余地はありますが、それほどメロトロンの存在感は大きかった、ということでしょう。邦題「童夢」の本盤、日本では特に売れたそうです。
☆Memories☆
Title Memories
Artist Earth & Fire
Album 「Memories」1972
Comment オランダのサイケ&プログレ・バンド Earth & Fire。70年代には西欧のポップ・チャートでたびたび上位にランクインします。が、英米シーンではイマイチ。↑ の動画、当時のポップスの先進的なサウンドにおけるメロトロンの使われ方がよく表れていませんか。
☆Fils De Lumiere☆
Title Fils De Lumier
Artist Ange
Album 「Au-dela du delire」1974
Comment フランスのジェネシスと呼ばれた Ange。演劇的なライブ&サウンドの要が、ふんだんに使われたメロトロンです。ところが、これは改造したハモンドにリバーブをかけたものらしく、いわば偽物。邦題「新ノア記」では、その偽物メロトロンでお腹一杯になれます。
☆In The Wake Of Poseidon☆
Title In The Wake Of Poseidon
Artist King Crimson
Album 「In The Wake Of Poseidon」1970
Comment トリを飾るのはやはりクリムゾンしかありません。「宮殿」から選ぶのが本筋でしょうが、表裏の裏を成す 2ndから。初っ端の一音を聴くだけで涙腺がウルウル。彼らの登場は、思えば、メロトロンを含むそのサウンド自体がひとつの驚きだったのでしょう。
今回の御題、同窓会的な雰囲気 (70年代) がたっぷりでしたね。採りあげた楽曲も、ほとんどがプログレ定番ってところで、備忘録の役割以上に往時を懐かしんでもらえれば、言うことはありません。それにしても、それひとつで曲の印象・音像・世界観を一変させるような楽器って、他にあったのでしょうか。いやいや、メロトロンは楽器というよりも本質はサンプラー、ってことは、20世紀最大の発明「楽器」じゃね。
久しぶりに投稿すると、いろいろビビるものですね。ちょっとした観測気球の意味も込めて、ひとまずアップしてみます。