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ゆうれいいか第3回観戦記

初戦でラスを引いてしまったゆうれいいかは背中に鋭い痛みを感じていた。

そしてチームの元へ戻った時、突如倒れてしまう。

矩継凛(背骨のケガはゆうれいいかさんの選手生命に関わる……)

ゆうれいいか「日常生活に関わるわ」

しいお西先生「どんどん良くなるいかちゃんの打牌に、ケガを見て見ぬ振りをしてしまった……指導者失格です」

ゆうれいいか「打牌は全然良くなってないでしょ」

観客席からはゆうれいいかを鼓舞する応援が響く。

せどなりあん「連投だろ!ゆうれいいか!早く出てこい!ポイント盛らせろ!」

ゆうれいいかは静かに立ち上がった。

ゆうれいいか「オヤジの全盛期はいつだ?前期∑リーグかよ?」

しいお西先生「前期はノートップ逆連帯製造マシーンだったわ、ぶっ殺すぞ」

ゆうれいいか「それはごめん、でもオレは今なんだよ!」

ゆうれいいかは最後の力を振り絞り対局開始ボタンを押す。

ゆうれいいかが生み出した∑リーグ史上最高の劇的トップという伝説的な半荘が今始まる。

────
東1局 東家ゆうれいいか

起家スタートとなったゆうれいいか、先ほどのラスの影響か手牌はパッとしない。
問題なのは他家の手牌がそこそこ良い形な事である。

ゆうれいいか「麻雀は配牌じゃないってことをお見せします!」

しかし上家のとうき氏から3巡目リーチが入ってしまう。

ゆうれいいか「麻雀は配牌だわ!(2回目)」

ゆうれいいか早くも台パンである。

ここで注目したいのは下家のまちぐさ氏が即降り判断をしたことである。
前の試合でトップを取り、チームもトップであるという状況が無理をしなくて良いという展開を生んだのである。

一方、本作の主人公ゆうれいいかは親番を手離したくないあまり鬼の3副露テンパイを取っていた。

ゆうれいいか「ハァハァハァ……トップを取るために絶対連荘するんだ!」

戸愚呂兄並の執念深さで親番をキープする事に成功するのだった。

東1局1本場 東家ゆうれいいか

麻雀の女神「貴方はあの厳しい状況からテンパイを取り親番を守り切りました。貴方に良い配牌をあげましょう」

ゆうれいいか「ありがとうございます!やはり麻雀に神はいる!」

ゆうれいいか「……クソ女神がよぉ!!!!!」

対面のクリロナ氏が3副露して混一色テンパイである。

ゆうれいいか「悔しいなぁ、なんとか親番キープのテンパイが出来てもまた目の前に分厚い壁があるんだ」

ゆうれいいかはツカなすぎて炭治郎のように泣いた。

ゆうれいいか「ごめん、いとさん。謝れないまま俺ノーテンだよ。頑張ったけど無理だったよ」

炭治郎「ゆうれいいか〜!諦めるな〜!」

炭治郎の言葉にゆうれいいかはテンパイへの執念を思い出す。

🀝を出来メンツチーする事でツモ番を回しテンパイ確率を上げたのである。

炭治郎「ゆうれいいか!もう一度クリロナの首を切るんだ!」

Cr7「怖いわ!」

炭治郎「ゆうれいいか!絶対諦めるな!トップを取るんじゃないのか!」

えんぺん社へ必ずトップを持ち帰る、その強い思いがゆうれいいかを突き動かした。

ゆうれいいか「うおおおおおおお!!!!!」

ゆうれいいか「ぬおおおおおお!(泣)」

想いだけではどうにもならず無念のノーテンである。

東1局2本場 北家ゆうれいいか

ゆうれいいか「ホントツカン!」

そう発してしまう程の配牌である。

そんな苦しい配牌でもゆうれいいかは123三色に舵を取る。

ゆうれいいか「己の立場を可愛がっている男に真の勝利などない!」

ゆうれいいかは果敢にテンパイするも下家まちぐさ氏の🀈連打により🀇を打ち3900の放銃となる。

ゆうれいいか「ミギャアアア!!!!!」

烈海王に短刀をしこたま投げられたドイルのように絶叫してしまう。

このまちぐさ氏の河についてホストクラブオーナー、『ななよい((売り上げのためならば)なんにん泣かせてもよい)』のえってゃん氏も、『河をデザインしている』と太鼓判を押した。

東2局3本場 北家ゆうれいいか

3900を放銃したくらいではひよらない。
手牌がバラバラでもゆうれいいかは鳴いてゆく!

かくきりこ「あ、あれ?上家はリーチ、いかちゃんはドラ単騎、これは既視感が……」

そう先程の試合で12000を放銃した3副露ドラ単騎である。

その事が頭をよぎってしまう所だがゆうれいいかはテレプシコーラ(ドラ単騎全ツ)を迷いなく発動させた。

リーチをしていた上家のとうき氏がドラ🀎を持ってきてロンである。

ネフェルイカー「やっぱり僕、強イカも」

テレプシコーラが決まり自信を取り戻すのだった。

東3局 西家 ゆうれいいか

テレプシコーラで勝利しドクターブライス(点棒修理者)で点数を回復したゆうれいいかはノっていた。

6巡目先制リーチである。

ゆうれいいか「まだテンパイしてない凡夫たちはたいへんだにゃ」

ゆうれいいかは調子に乗りまくっていた。

ピトーのように余裕をかましていたところに上家のとうき氏から追いかけリーチが来てしまう。

ゆうれいいか「Noぉぉおおお!!!!!」

青天の霹靂である。

ゆうれいいか早くもカン🀋が消え失せてしまう。

ゆうれいいか「絶対に🀋は山にいるんだ(*^◯^*)」

知らぬがポジはめくんである。

上家のとうき氏が🀄をツモり跳満の上がりを決める。

ゆうれいいか「くっ、引き負けたか……この豪運がよぉ」

🀄を掴まなかった自身の豪運は棚上げである。

東4局 南家 ゆうれいいか

ゆうれいいかはそれなりの配牌をもらう。

下家のまちぐさ氏が2副露ソーズ混一色仕掛けが入る。

ゆうれいいか「下家うるせぇぇえええ!」

他家が仕掛けてくる事に対して不寛容系のイカである。

🀠を引いた事で受け入れは広がるもののさすがのイカもドラ🀘は切れず。

ゆうれいいか「グギギギギギ」

まちぐさ氏の仕掛けがゆうれいいかの足を封じる事になる。

対面のクリロナ氏がリーチ。
ゆうれいいかもテンパイするがさすがに自分の待ちが微妙な事と押す牌がドラ単騎である事から撤退である。

クリロナ氏とまちぐさ氏の2人テンパイで流局になる。

南1局 東家 ゆうれいいか

かくきりこ「いかちゃん以外そこそこ手牌良くない!?」

しいおいと「……言うな」

星餅めりー「いかちゃんツカないねぇ」

二人から仕掛けが入るもののゆうれいいかの手牌はそこそこに育っていた。

ゆうれいいか「面前では無理だわ!この親番を手離すわけにはイカねぇ!」

ゆうれいいか執念のテンパイである。

ゆうれいいか、まちぐさ氏、クロリナ氏の3人テンパイ流局である。

トップ目のとうき氏の点数を3000点削るという大きな功績である。

かくきりこ「いやだからいかちゃん以外の手が良くない?」

しいおいと「……言うな」

星餅めりー「いかちゃん段位戦も厳しいみたいだし」

しいおいと「言ってやるな……」

1人置いてけぼりをくらったゆうれいいかの親番、とうき氏のツモ上がりで終了である。

ゆうれいいか「マジで何も出来ん!!!!!」

南2局 北家 ゆうれいいか

ここでゆうれいいかはカードを切る。

ゆうれいいか「かくきりこを生け贄に手牌にモンスターを召喚するぜ!」

1半荘につき1度だけ許されたゆうれいいかの特殊能力「マジック&ウィザーズ」である。

その男は高速バスに乗り電車を乗り継ぎ単身赴任先から家族の待つ自宅へと向かっていた。
自宅への道中、浮かぶ愛する嫁と子供たちの顔。
しかし玄関に立った瞬間、ゆうれいいかに召喚されてしまう。

ゆうれいいか「まさGさんを召喚!この局は二人で打つぜ!」

まさG「ワンワン(おい!ふざけるな!帰らせろ!)」

ゆうれいいか「声が?まさか……かくきりこは雀傑、魂天で天鳳八段のまさGさんの召喚にはコスト的に見合ってないのか!?」

かくきりこ「私、雀豪だし命賭けてるのにコスト見合ってないは草」

まさG「ワンワン(愛する家族の元に帰らせてくれ!久しぶりに会えるんだ!)」

ゆうれいいか「くそ……何言ってるか全然わからねぇ!まさGさん!よろしくお願いします!」

まさG「わおおおおおん(チクショォォオ)」

ゆうれいいか「ドラと赤がある!でも穴だらけ!泣けてくる!」

まさG「ワンワンワン(リーチ手順を踏むしかないね)」

ゆうれいいか「何言ってるのか全然わからんけどリーチ手順を目指せ的な事を言ってる気がする!」

星餅めりー「いかちゃん天才!」

ゆうれいいか「何を切れば……」

まさG「ウーウー」

ゆうれいいか「まさGさん、何故いきなり唸り声を……まさか🀔ってコト!?」

まさG「ワンワン!」

ゆうれいいか「まさGさんを信じろ!」

ゆうれいいかは打🀔を選択。

次巡。

ツモ🀔。

ゆうれいいか「よくも!このクソ犬!🀔ツモでテンパイ逃しをさせたなぁぁあ!!!!!」

殴る蹴るの暴行を加えるイカ。

まさG「キャインキャイン(ヴァニラ・アイスか、このイカは!)」

上家のとうき氏から先制リーチが入るも、ゆうれいいかも🀖を重ねテンパイ、ペン🀒即リーである。

ゆうれいいか「まさGさんを信じてました!」

まさG「グルルル(コイツゥ)」

とうき氏とのめくりあいになったものの、手詰まったまちぐさ氏から🀒が出て裏1の満貫が決まる。


ゆうれいいか「カン🀗だったら上がれてなかったかもしれませんでした、まさGさんありがとうございました!」

まさG「わおおおおおん(まぁ何はともあれイカちゃんガンバレ!)」

まさG氏は単身赴任先のアパートの玄関前に転送され膝から崩れ落ちたという。

南3局 西家 ゆうれいいか

リーグを独走する『ななない』のまちぐさ氏から満貫の直撃をし3着と僅差とは言えラスに沈めたのは最高の結果となった。
その点は同卓者のクロリナ氏ととうき氏としても喜ばしい事だったのである。

トップ争いはゆうれいいかととうき氏の二人に絞られた。

かくきルア「親父がさ、珍しくボヤいてたんだ。割に合わない仕事だったって。それって標的に対する最大の賛辞なんだけどさ。」

しいおヤジ「ななないには手を出すな」

かくきルア「3年くらい前の話しだけどね」

矩継凛「そんな前なワケないでしょ」

まちぐさ「イカが……調子に乗りやがって……痛みを返すぜ、灼熱に変えて!ペインパッカー!」

ゆうれいいか「うおおおおお!テレプシコーラ(カン🀈立直)!全力を超えて舞え!」

ゆうれいいかも勝負局であることを察知し全力で能力を発動させた。

まちぐさ「ライジングサン(🀌ツモ)!熱いか?ノドが焼けて息すら出来ねぇだろ!」

クロリナ「ぐおおおおお!イカちゃん1人に返してもろて……親の俺が1番の被害者なのだがァァァ」

ゆうれいいか「子で良かったぜ!」

南4局 南家 ゆうれいいか

微差の3着となったゆうれいいかだったがほぼ上位は団子である。
そして十分逆転を狙える配牌だった。

しかし終盤まで手牌が伸びず、やむなくテンパイを取る。

そして結果は上家のとうき氏の1人ノーテン。
終局とはなったもののゆうれいいかは辛うじて2着を持ち帰る事が出来たのだった。


───本日の試合を振り返ってどうでしょう?

まさG「お、オレ!?召喚されるとは思わなかったので最悪でした。イカ!家族との大切な時間を返せ!」

───次の試合へ向けてゆうれいいか選手へ一言お願いします!

まさG「いかちゃんは良くやってる!厳しい展開が多いだけで地力では負けてないと思う。今回はマッチが強すぎたね。いかちゃんにコレだけは言いたい、BL読んでるヒマがあるなら現麻を読め!ありがとうございました!」

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