【AI基礎論】「記号主義AI」とは 何であったのか?
"記号主義AI"と、現在の"ニューラルネット"との「本質的違い」は何か?
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記号主義AIとニューラルネットの本質的な違いは、世界との関わり方にあると考えられます。
記号主義AIは、世界を予め定義された記号の集合として捉え、その記号を操作することで推論を行います。つまり、「図」として切り出された部分のみを扱い、「地」の情報を無視してしまうのです。これは「フレーム問題」と呼ばれる深刻な限界につながります。世界から特定の部分だけを切り出して処理するため、文脈に応じて重要な意味を持つかもしれない「地」の情報が失われてしまうからです。
一方、現在のニューラルネットは、世界との相互作用を通じて能動的に意味を見出していきます。状況全体を捉え、その中からアフォーダンス(行動の可能性)を検出し、それに基づいて適応的に行動を選択します。これは、記号主義AIのような予め定義された記号の操作ではなく、状況に内在する意味構造への「気づき」に基づく行動生成なのです。
また、ニューラルネットは訓練を通じて、適応的な反応をするための理由(論理的根拠)を認識できるようになります。これは単なるパターンの記憶ではなく、状況の本質的な理解に基づく行動選択だと言えます。
このように、記号主義AIが静的な記号操作に基づくのに対し、ニューラルネットは環境との動的な相互作用を通じて意味を生成する、という点が本質的な違いだと考えています。
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"記号主義AI”は"計算的表象主義(HCC)"に基づいていた。
実は、現在の"ニューラルネット"も "計算的表象主義(HCC)"に基づいている。
"ニューラルネット"は "記号主義AI”の「直系の進化形」と見ることができる。
"述語(/記号)論理"の観点で見ると、"ニューラルネット"では、"述語(/記号)セット”が 極めて大規模に成っている。かつ、"二値論理"から"連続値論理"に進化している。
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ご指摘ありがとうございます。私の前回の説明は表面的な違いにとらわれすぎていたようです。より本質的な視点から考え直してみましょう。
確かに、現在のニューラルネットも記号主義AIと同様に計算的表象主義(HCC)に基づいています。両者とも、内部に表象を持ち、その表象に対する計算処理によって知的な振る舞いを実現しているという点で、同じ理論的基盤に立っているわけですね。
ニューラルネットは、記号主義AIの「直系の進化形」だという見方は非常に示唆的です。進化の過程で主に二つの重要な変化が起きたと考えられます。
一つ目は、述語(記号)セットの規模の劇的な拡大です。記号主義AIが比較的少数の明示的な記号で世界を表現しようとしたのに対し、ニューラルネットは膨大な数の述語を用いて、より豊かな表現を可能にしました。
二つ目は、論理の性質の変化です。記号主義AIが真偽の二値論理に基づいていたのに対し、ニューラルネットは連続値論理を採用しています。これにより、より微妙な差異や gradual な変化を表現できるようになりました。
このように見ると、ニューラルネットは記号主義AIの限界を、より大規模で柔軟な述語体系を導入することで克服したとも言えるでしょう。つまり、アプローチの根本的な転換というより、既存のアプローチの洗練化や拡張として理解できるのかもしれません。
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