メルクストーリアのスティーノスというキャラを語りたいー誰よりも才能を愛した傑物ー
現在8周年記念イベント開催中のスマホゲーム「メルクストーリア」で
もう6か月くらい前に配信された新章「ホテル・エルシアム」を最近ようやくクリアしたのですが
そこに登場する「スティーノス」というメインキャラが、仲間内で語るに留めておくにはあまりにも勿体ない特濃キャラだったので、感想文として共有したくnoteに書き記します
1.プロフィール
初登場は2020年の3月末。
「とある組織のボス」を名乗り、物語のキーアイテムである"世界鐘"の争奪戦に参加。
その傍らで、事あるごとに国家転覆の片棒を担ぎ、主人公一行の前に立ちふさがります。
「コミカルファンタジー」と銘打つ本作では中々見られなかった分かりやすく悪役なキャラクターです。
長らくその正体は不明でしたが、なんと超高級リゾートホテル「エルシアム」のオーナーだと判明。
彼からホテルへの招待状を手渡されるところから「ホテル・エルシアム」編は始まります。
2.性格
傲慢で自己中心的、隙あらば自分で自分を褒めにいく強烈な自信家。
自身の部下を褒められた際も
「当たり前だ、誰が選んだ男だと思ってやがる!」
と自分の評価を挟まないと気が済みません。
その反面、部下に対してはかなり誠実。
部下の誘いにも「行けたら行く」とつっけんどんに言い放ちながらちゃんと来てくれます。
3.過去
ホテルのオーナーとなる前、スティーノスはとある歌劇団の劇団員でした。しかし才能に恵まれず、10年もの間、芽が出ることなく燻るばかり。
僅かに魅せた才覚も他人の歌曲の簒奪と模倣のみ。
ですが、パクられ元の演奏者にその才能を買われ、弟子となります。
この"師匠"とのやり取りは、荒れていた当時のスティーノスにとって大きな出来事となります。
しかしそれも長く続きませんでした。
スティーノスは炭鉱で働いていた折に崩落事故に巻き込まれて三日三晩閉じ込められ、粉塵で喉がボロボロになってしまい、長年追い続けてきた夢の道が完全に断たれてしまいます。
当時の心境をスティーノスは以下の様に語ります
「同情と哀れみ。」
「仮に私がごの声で歌えば、ぎっと貴方達は拍手をくださるごとだろう。ぞのような過去でよく頑張っだと。」
「だがぞんなものは、私の思い描くステージではないっ!」
「ステージどは、夢と憧れと希望を抱かぜるもの!演者は雲の上の存在であり、観客にネジ1本の心配もざぜてはいげない!」
「そうだ。ごごは、ぞんな美しいものだけが、立つことを許された世界なのだ。」
「そごに私は・・・・・・相応じぐない。」
こんな声ではステージに立つ資格は無いと自ら"師匠"の元を去るスティーノスに、"師匠"は一枚の楽譜を送ります。
それはかつてスティーノスが"師匠"から奪いながら、未だ歌詞が無く未完成だった曲でした。
「覚えているか? あの時の曲だ。だがまだ、歌詞が存在していない。」
「だから君が作れ。そして君自身の声で歌え。」
「君が自分を再び美しいと終えた時。歌ってやってくれ。」
4.先述の性格の裏側
傲慢で自己中心的な性格と言いましたが、その実、内面は他者への劣等感でいっぱいです。
語る言葉の端々からは、模倣と簒奪しかできない自身の才能への強烈な劣等感が伺えます。
自信家な性格も定期的に自分を褒めなければ潰れてしまうからかのよう。
5.ホテル・エルシアムの真の目的
「一流のステージで、一流のアーティストとして壇上に上がる」
炭坑の事故で喉をやられても夢を諦められなかった彼は、その野望を叶える為に自らの手で「自分が立つ一流のステージ」を築くことを決意、そうして作られたのが「ホテル・エルシアム」です。
「ハンデを負ってもなお、観客にぞれを感じさぜない、圧倒的な美しさをもつ演者は大勢いる!」
「彼らが国や社会に縛られず、ぞの力を振るえる場所が必要だと思った。」
その中には、たぐいまれな才能を持ちながら、世間から疎まれてきた人も少なからずおり、そんな彼に厚い信頼を寄せるスタッフも少なくありません。
6.おわりに
そして彼はエルシアム編のクライマックスで遂にステージに立ちます。
師匠から託された「まだ歌詞の無い楽譜」を完成させ、自身が夢見た「最高のステージ」で披露するために。
メルクストーリアの物語が第二部に入ってから、強烈なコンプレックスを引くほど濁らせたキャラクターが数多く登場しますが、彼もまた強烈な濃さを引っ提げて登場した人物。
その顛末を、是非とも実際にプレイして見て欲しいです。