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ジョーカー2をみて

ジョーカーは
一番苦しんでいた時にやってきた。



実家は地方なので、学校の寮に入った。

すぐに友達と呼べる人ができたが、
打ち解けるのが苦手だったのと、頑固だったりヒステリーがすごかったりで、今思い返すと本当に全員に謝りたいくらい自分はゴミだった。

でも私にはその時 彼氏がいた
彼は私にとって光だった。
とても優しくて
と思っていたがそれも間違いだったことは後で話そう

お小遣い稼ぎと、その彼氏の誕生日プレゼントを買うためにバイトを始めた。

奨学金を借りていたのと少しだけ親が仕送りをしていてくれていたので、なんとか暮らせていた。
だから無駄なものを買うお金は自分で稼ごう。と、
ウキウキしながら新しいバイトを始めた。

バイトなんて、コンビニか、スーパーくらいしか募集がない地方出身の私にとって、いろんな職業がある都内は最高だったのだ。

あくまで学生の本分は学業だと、己を振るわせて、
バイトをしながら、授業に出ていた。

しかし、
先輩から挨拶についてや、
どうでもいいような事をいちいち突かれ、

バイトを入れていても、
授業の準備をしろと怒られ、
休ませられる。

同じようなことが2回ほどあり、

その後、バイトはやめた。
バイト先には本当に申し訳なかった。


そんな新しい楽しみを、潰された自分に
追い打ちをかけるように
慣れない満員電車が自分の心を削っていった。

どうやら私は人混みがダメなようで、
気持ち悪くなったり、そいつのことを消してやりたい、
殴りたい…辛い、
あの人私の悪口言ってる?なんなの?
外に出る人が先なのにどうして先に乗ってくる人がいるの? 出る人に道を開けてあげないのはどうしてなの??

というふうに疲れていった。

その後、自分が学んでいる学業は、うまく評価されず

学校につけば、面倒臭い先輩のお説教と色々があり
だいぶ気が参っていた時だった。

実家で飼っていたわんこが
もうかなりやばい。かなり具合が悪い。
と母から連絡があった。
電話越しに話しかけた時、
向こうでは自分の声に反応してくれたみたい。

学校から駆け出して、寮に戻って実家に帰る準備をそそくさと済ませすぐに実家方面へ行く高速バスに乗った。

学校から寮まで、 
寮から高速バス乗り場まで

ずっと涙が止まらなかった。
早く、会って可愛くて柔らかいふわふわを撫でさせて欲しかった。

抱きしめて一緒に布団にくるまりたかった。

小さい頃から一緒に過ごしてきたわんこだった。
意地悪した時もあったけど、自分よりも大人で、
すごく可愛い子だった。

バスの中でも泣いていた
他の人の幸せそうな会話なんて聞きたくなくて
音楽を聴きながら帰った。
久石譲のコンサート動画だった。

家近くのバス停まで父が来ていると聞き、すぐ飛び降り家に向かう。

きっと待ってくれている。
私のことを、待ってくれている。

そう思いながら、泣きながら父の運転する車に揺られていた。

家に着くと、部屋はどこか暗かった。
電気がついてないとかそういうことではなく、
電気がついているのに暗いのだ。

その中の、少し明るい場所で、
お気に入りだった膝掛けに包まれて
眠るように亡くなっている彼女がいた。
母は、最後まで私が向かっていることを伝えてくれていたらしい。

しかし、到着の1時間ほど前に虹の橋を渡ったようだ。

ずっとある記憶より老けた彼女は
静かに目を閉じていた。

母がまだ体温が残ってる。と
お腹を触らせてくれた。
その意図はあまりよくわからなかったが、
ただただ間に合わなかった自分が辛かった。

自分が、夢を追わずに地元で生活していたら、
ずっと一緒にいられたのに。
自分はまだ、全然何もできていない。
なんのために私は、辛い思いをしているのか

心の支えだった彼女を失った私は、
彼女を火葬に連れて行き、
祖父祖母の家に挨拶をしにいった。

彼女がいなくなってもそのまま続く世界が
よくわからなかった。
意味がわからなかった。


そしてその彼女が亡くなった数ヶ月後に、
挨拶をしにいった祖父が亡くなった。

意味がわからなかった。
私は短期間で2人も大切な人を亡くしてしまった。

祖父は1人孫だった私をとても可愛がってくれていた。

ある日、彼氏との約束があったので、
家族での食事をキャンセルした。

それが、家族全員で食べる食事だったのに

それから彼とは別れた

彼と言う人間に時間を使っていたおかげで、
家族と深く関わることが困難になっていたからだ。

そして彼自身私を愛してはいなかった。
彼は正直どうでもいいやつや。
マジでしょうもない男で今は幸せに暮らしてるらしい。


話がそれたが、

私を私としてくれる大切なピースが短期間でなくなってしまったことから、
転がり落ちるようなスピードで私は心がおかしくなっていった。

眠れない日、ものすごく寝てしまう日、
ふと思い出してもう会えないと言うことに絶望して授業中に泣き出す。1人単位で別れた部屋があったのでそこで泣いていたときもあった。

しかし今まで通り世界は回る。
どうでもいいことをいちいち掘り出して突いてくる先輩
生きる価値のないクソ人間
みんな死んじゃえばいいと思っていた。

どうして、あんな人間が生きているのに
おじいちゃんは亡くならなきゃいけなかったのか。
なんで…

何をするにも明るくなれず
どうしようもなくなった時
メンタルクリニックを知った。

どうしようもなく本当に辛い

自分も死んでしまいたいけど自分が死ねば家族が悲しむ
悲しんでくれる家族がいるだけ幸せだと言う人もいると思う。
それはその人も可哀想なのだ。

つらいことはつらい。

そう思ってついに 精神科へ向かった。


なんとか気持ちが軽くよくならないかと
行ってみた

あまり話は聞いてもらえず、
うつ病と診断され、
薬を渡された。

これを飲めば良くなるんだ!と信じきっていた私は、
そのままその薬を飲んだ。


朝は起きられなくなった。

起きられなくなると怒られる

そして、その薬を飲んでるから起きられなくなったのかどうなのかも家族にも他の人にも話せなかったのでどうしたらいいのかわからなくなり、
服薬を辞めた。


そしてその後ひどくなった状態で別のクリニックにいった。

持続性抑うつ障害(気分変調症)

だと診断された。
鬱かと思っていったら別の病気だったので拍子抜けしたが、
あんまり変わらないやつだった。
そしてこの時から現在に至るまで治療は続いている。
多分6年ほどだろう。

そう、
この ジョーカー(2019)の頃には
自分の病気と向き合わなければならなくなっていたわけだ。

自分が人と違う 厨二病が永久に終わらない私からすると幸せなことかもしれないが、
その頃の私は、辛いこと、 悲しいこと、
絶対に言っても理解されないこと、人と違うことがなんだか恥ずかしかった。し、辛かった。
精神安定剤飲んでるなんて言えなかった。

だからこそ、勝手にアーサーに自分を重ねていた。
夢を追うものの、嫌な奴らにいじめられたり、
急に笑ってしまう障害があったり、
自分と同じように薬を処方されながらも、
なんとか自分の生き方で成功しようと努力する彼の姿はとても素敵だった。

そんな彼は、 ついに 新しい人格 ジョーカーを手に入れ、 暴れる暴れる。

そしてそれを見て、他の人が歓声を上げる。

彼と同じように社会に不満を抱えている人
自分自身を愛せない人、いろんな人が彼に賛同し、強くなった彼に熱狂した。

不当な扱いを受けた彼が幸せになってくれる
そんな話がジョーカーだったのだ。

全部まとめてひっくるめて愛して昇華してくれるのがジョーカーでありアーサーだった。

でもジョーカー2 は アーサーを否定した。
私も否定されたのかと悲しくなった

ジョーカーではないアーサーを責めて、
幻滅する奴らは 
本当にあなたを愛している人じゃないよ。

行為に及ぶ時に、ジョーカーのメイクをさせる女に
心を奪われてしまった彼が可哀想で仕方がない。

私だったらもっと幸せにできるのに。

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