#6 コンピテンシーを授業で育成するにはどうするか
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初任者研修で、学習指導要領について教えてもらったり、授業づくりについて教えてもらったと思います。
でも、実際に、クラス担任をするとなると不安だではないでしょうか。
私の個人的な経験で、担任をする、もしくはしている先生方へアドバイスを書きます。
未来を創るのは教育です。
頑張ってください。
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高い成果を出す人材に共通して見られる行動特性を意味するコンピテンシーは、最近の人事評価や採用面接の評価項目として活用されています。
コンピテンシーとはどのようなものなのでしょうか
ビジネスシーンでいうコンピテンシーとは、仕事で高い業績や成果を上げる人に共通する特徴的な行動パターン(行動特性)を意味し、その行動につながる性格や動機、価値観といった
目に見えない部分
に重きを置いた概念です。
目に見えない部分に着目していることにとても興味を惹かれます。
そして、今までの経験上、目に見えない部分がいかに大切なのか、これを理解しているからより一層興味深いです。
さて、コンピテンシーと知識や技能との違いはなんでしょう。
知識や技能は、「プログラミングができる」や「簿記ができる」、「プレゼンテーションを作ることができる」、など身につけた知識や技能です。
しかし、この知識や技能を持っていても、社会人として成果を上げることはできません。
これをいかに、適切な場面で、効果的に使うことができるか
これが社会で求められています。
よって、コンピテンシーは、最近の人事評価や採用面接の評価項目として活用されていると考えられます。
では、
コンピテンシーを授業で育成するには、どうしたらよいのでしょうか。
私は、教員が、意識することがとても大切だと考えています。
先生方は、授業(取組)の目標に向かうために、様々なプロセスを生徒に踏ませるはずです。
思考力、判断力、表現力等の育成をはかるのであれば、知識及び技能を活用する場面を設定するでしょう。
その中で、コンピテンシーは必ず必要となると思います。
今まで意識せずに行っていた場面を、コンピテンシーに着目してみると声掛け等が変わるのではないでしょうか。
そこで、次はどのようなコンピテンシーを意識するかです。
社会人基礎力
に注目してみましょう。
社会人基礎力は、経済産業省が主催した有識者会議により、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を3つの能力、12の能力要素=社会人基礎力として定義したものです。
簡単に言えば、社会人基礎力は自分の
知識や技能を最大限発揮するためのベースであるOS
であるとも言えます。
いくら、仕事に就いて仕事上の知識や技能が身に付いたとしても、それを最大限に発揮するには、しっかりとしたOSが必要というイメージです。
簡単に言えば、最新のアプリケーションを入れても、OSがしっかりとしていなければ、動かない状況になる可能性があるということです。
では、具体的に社会人基礎力に注目してみましょう。
社会人基礎力を構成する3つの能力と12の能力要素
1 前に踏み出す力(アクション)
(1) 主体性:物事に進んで取り組む力
(2) 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
(3) 実行力:目的を設定し確実に行動する力
2 考え抜く力(シンキング)
(1) 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
(2) 創造力:新しい価値を生み出す力
(3) 計画力:問題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
3 チームで働く力(チームワーク)
(1) 発信力:自分の意見を分かりやすく伝える力
(2) 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
(3) 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
(4) 状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
(5) 規律性: 社会のルールや人との約束を守る力
(6) ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
興味深いことは、チームで働く力に6個の能力要素があるということです。
ということは、社会に出ると、チームワークが必要であり、チームで働く中で自分の知識や技能を発揮することができるか…ということが大切だと考えられるのではないでしょうか。
では、テーマであるように、コンピテンシーをどのように授業で育成するかです。
単元(単元や題材など内容や時間のまとまり)の中で、思考力、判断力、表現力等の育成をはかる目的とした時間であるならば、知識及び技能を活用する場面を設定するでしょう。
例えば、グループワーク、ペアワーク、フィールドワーク、調べ学習、プレゼンテーションなどあると思います。
その活動の中で、社会人基礎力の育成を意識してみるのはどうでしょうか。
活動には必ず、なんらかの社会人基礎力が必要となっていると思います。
欲張ってたくさんのことを求めず、これという一つを意識してみると今までなんでもなかった生徒の行動が気になり、声掛けも変わるのではないでしょうか。
声掛けが変われば、指導が変わります。
指導が変われば、生徒に身に付く力も変わります。
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こんな田舎の現役教師の私ですが、悩み多き先生方のお役にたてる情報を発信していくので、よろしければ、フォローをお待ちしています。
お読みくださり、ありがとうございました。
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