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カメラジャーナルとの出会い
写真家の田中長徳氏が執筆する『カメラジャーナル』と出会った。当初A4の8ページで、初めはパンフレットのようにも見えたが、しっかりした雑誌であった。
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この書誌はカメラやレンズを毎回紹介するが性能云々ではなく、カメラやレンズに対する執筆者の「思い」と「感情」が記され、機材が与えてくれる世界を説明している。
月刊誌のようなテクニカルな話は一切無い。スポンサー(広告収入?)を持たないので、”もち上げ”もなければ、メーカー希望のアピールもない。
紹介するものは新発売が稀にあるが、既存製品が多く執筆者が感情(気分?)で選んでいる。
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田中長徳氏のカメラ談義は新鮮で毎回楽しみになり”ドハマリ”まで至ってしまった。
紹介するモノはLeica系が目立つが、ビンテージ~バカチョンコンパクトまで様々、一貫性がないのも笑えたが、カメラとの正しい向き合い方のように感じた。
この雑誌を買いに中野に通ったし、バックナンバーもかなり買い、挙げ句は生涯初の定期購読を申し込んだ。十数年前に廃刊になってしまったことは時代とはいえ残念だった。
この書誌のお陰で自身のカメラを見る視線は改革された。いかに高性能か?どれだけ多機能か?ばかり追いかけていたがカメラとレンズは写真を撮る環境を構成するアイテムだと思うようになった。
また長徳氏のスナップショットはどれも芸術を感じた。どこにでもある景色が額に飾りたくなる写真に仕上がるのは凄いと感じた。こんな写真が撮りたいと憧れスナップ写真を撮るようになった。
こうなると・・・F5は後悔に近づきだす。街のスナップに大口径レンズがついたF5を構えた日には「なんのイベント!?」「何か事件か!?」と騒ぎになりそうで気が引けたし、その重さ・大きさもチト場違いかと。。。