#4 ももこのトンデモ大冒険
さくらももこさんは、わたしのお手本にしたい人の1人。
この本は、装丁が祖父江慎氏が担当されていて、とても独特で素敵な上に、
アミ 小さな宇宙人 の作者エンリケバリオス氏に逢いに行くエピソードがあった事がきっかけで読みました。
ふふふ程度では済まない。涙を流して爆笑しました。表紙を見た子供たちはまるちゃんそんなに面白いの?と不思議がっていました。
こんなに面白いのに、今、さくらももこさんはこの世にいないんだと思うと、一つの時代が終わったような悲しい気持ちにもなりました。
私の小学生時代のアニメ放送される頃をまるちゃんと同じ3年生として過ごし、漫画はリアルタイムで月刊リボンを見ていました。
当時は、まるちゃんのちくっと胸が痛むような失敗や、小学生にとって大ピンチのストーリーが、リアル小学3年生にとって鬼気迫るものがあり、大人のように笑えなかった気がしました。
今の放送こそマイルドに仕上がっていますが、昔はもっと辛辣でしたよね。
それを多分今見たら、めちゃくちゃ笑うと思います。
小学生の頃は学校と家が世界の全てで、そこで巻き起こることは事件や戦争のように深刻でした。大人になると、それはちょっとした今日の出来事であったり、少しのケンカに過ぎなかったりするのですが、その中にいるときは気づかないものです。そんなふうに、大人の世界も、あははとさらに大きなもので包まれるような世界で緩やかになったらいいのになと思いました。
話はそれましたが、このトンデモ大冒険はまるちゃんがももこ先生の幼少期がモデルなだけに、大人になったまるちゃんの好奇心、探究心、ストイックな面白そうな事への欲!そして自分の周辺の仕事仲間や友達、家族を大切にして、徹底して面白がって考えられる、そしてきっと悲しいことはあまり表に出さない。そんなももこ先生が垣間見れました。すごく優しい。
しかし奇抜な体験談が今回は多くて、私としてはかなり面白かったのですが、何か得ようと思って読むのなら、おやめなさいと言いたい。笑
大人になると、面白そうな事、何の得にもならないけど知りたい欲望、忘れがちになりますよね。
そんな時、バカバカしさを取り戻すために、これは買って家に備えておくべき一冊になりました。
最近喜ばれる、コスパ・タイパ・効率・ミニマムを少し忘れませんか?
どんなに時間もお金も節約したって、面白い事がないなら本末転倒ってもんじゃありませんか?
いつか何かするために、いくら節約して時間やお金が余っても目的がもし無いなら切りが無いし、天国には移行できないということ。
2020以降、良くも悪くもバカバカしい事が減ったなとつくづく感じます。
そんな真面目疲れのあなたに、おすすめの一冊です。
今度書こうかな、さくら日和もおすすめです。