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【すっぱいチェリーたち🍒】④スピンオフ 富良子不良雄編1651文字
必ずおおさわさん設定の下記 多さわこ と 富良子不良雄校長先生の説明を先にお読みください。
多さわこの両親は、オカルトや陰謀論を信じる変わった両親で近所では有名だったので、あの家に近付いてはならないと近所の子供たちは親からの指導を受けて育っていた。要するに、あの家に近付いてはいけないよ、と言われていた。
そういう事もあって、多おおのさわこが両親から受けていた特殊な教育について、周囲から知られる事はなく、さわこ自身も両親から教わる事だけが常識となっていた。
どうやら最近、プレアデス星人という宇宙人が地球にやってきて地球人に溶けこんで暮らしているらしいという事や、ネス湖という所にはネッシーという恐竜がいる事、源義経は海外に逃れて大帝国の皇帝になった事や、織田信長は本能寺で死んでいなかったり、明智光秀も江戸時代まで生きていて身分の高い高僧になった事や、本能寺の変の黒幕が豊臣秀吉だったり、徳川家康は実は途中から影武者が入れ替わっていたとか、そんな話を父親から教えられていた
中略
田梨木高校の富良子不良雄校長先生は、どうやらかなりの後ろ盾をもった人らしく、教育委員会の言う事も聞かずに自由に学校を運営しているそうで、高校の食堂を子ども食堂として常時地域に開放していたりする。
また、料理研究家という別の顔もあり、校長室では日夜新しいレシピの開発に余念がないとかあるとか。
実際、茶色くてモロいサクサクの食感がある食材を活用したデザートを得意としていて、時々生徒や先生にふるまったりしている。
また、裏の顔も持っていて、自費出版の絵本作家で、ドーナツ型ロボットが未来で起こる核戦争を阻止すべく現代にタイムスリップしてきて様々な問題や課題を未来の道具を駆使しドーナツを分け与える事で解決していくSFホラー冒険活劇を創作していて、一部に熱烈なファンを抱えているが、謎の作者として決して正体を明かさないで活動を続けている。
以下の記事より抜粋しております。
長編につき、後でお読みください。
オレの名前は宇利盛男。田梨木高校に通う17才。成績もスポーツもパッとしない。特にこれと言って得意なこともない。目標は『三年間無遅刻無欠席』という面白くもなんともない男子学生だ。
オレのクラスの担任は油木先生、お笑い好きの女性教師だ。
朝のホームルーム、級長の吉田が号令をかけた。
「起立」
「礼」
クラス全員が油木先生に向かって二度礼をした。そして二度柏手を打った。
「パン、パン」
最後にもう一度油木先生に向かって一礼をした。
油木先生「…わしゃ神様か!
…ええやないの、阿久やればできるやないの!
きょうのすごく良かったで!」
油木先生はこの朝のホームルームのお約束事と化したボケは全て阿久が考えていることをお見通しだった。
油木先生は満足そうな顔で自分の左手に立っている男性を見た。
「紹介します。富良子不良雄さんです」
油木先生がそう言うと生徒全員がポカーンとした。
「富良子不良雄って校長先生と同じ名前やん」
千葉ヨメンがそう言うと、
「どういうこと?」いつも冷静な多さわこが言った。
「それは…」油木先生が口ごもっていると
「ここから先は、私が説明しましょう」
富良子不良雄が口を開いた。
「おはようございます。
皆さんご存知のように富良子不良雄校長先生は、校長の仕事以外にも子ども食堂を補助したり、料理研究家としていろいろなレシピを考えたり、また絵本作家としても活躍されております。
もう、忙しすぎて、体が一つでは足らない状況となっております。
そこで、ある人からの紹介で少し前から極秘で私が富良子校長先生のお仕事を手伝うようになりました。私は表に出ずに、全て富良子校長先生がなされたこととしてきました」
「どうして、極秘なんですか?」保志田が言った。
「校長の権限を他の人が使うというところで、非常にバリケートな問題を含んでいるんです」富良子不良雄が答えた。
…… シーン
「阿久、それを言うならバリケートじゃなくてデリケートやろ、アンタなんでツッコまんの?
アンタ何のためにこのクラスにおんの?
二礼二拍手一礼でウケたと思うて油断しとったらアカンで!」 油木先生が言った。
「要するに、義経とチンギスカンは同一人物だったということでしょうか?」小郷が言った。
「んー違いますね」富良子不良雄が答えた。
「わかりやすく言うと、光秀が名前を変えて天海になったということですか?」貝差が言った。
「違いますね」富良子不良雄が答えた。
「本能寺の変の黒幕は秀吉だったということでしょうか?」阿久が言った。
「全然違いますね」富良子不良雄が答えた。
油木先生が阿久の方を見ていいボケだったと言わんばかりに親指を立てた。
「家康には影武者がいたということでしょうか?」千代子が言った。
「おー、だいぶ近づきました」富良子不良雄が答えた。
「早戸先生と戸橋先生を2人合わせて早戸橋と言うことでしょうか」オレが言った。
「……ちょっと何をおっしゃているのか…」富良子不良雄が答えた。
油木先生がオレの方見て「チッ」と舌打ちした。
「ディズニーランドにはミッキーは1人しかいないということでしょうか?」波都子が言った。
「まさに、そういうことです」富良子不良雄が嬉しそうに答えた。
「今後、校長先生のことは富良子不良雄、私のことは、富良子不良雄Aと呼んでください」
富良子不良雄Aが言った。
「ある人からの紹介というのは…あっなんでもないです」圭子が何か言いかけてやめた。
窓の外を見ると、雲一つない青空の中を飛行機が飛んで行った。
To be continud
今回の主な出演者
油木先生 (ゆきママさん)
阿久佳祐 (アークンさん)
吉田吉夫 (よしよしさん)
多さわこ (おおさわさん)
富良子不良雄 (脱サラ料理家ふらおさん)
千葉ヨメン (ばちょめんさん)
保志田 (ほっしーさん)
小郷 (Shogo さん)
貝差彩子 (彩夏さん)
千代子 (チョコさん)
波都子 (loveheart さん)
圭子 (圭果さん)