【203】超短編小説「HIASOBI」(2798文字)
「…お待たせ。」
「先生… !」
「…久しぶり!」
「…でも、どうして?」
…
2ヶ月前
教育実習生 森七菜の数学の授業は面白かった。実際には森七菜という名前ではなく、森七菜に似ているのでボクが勝手に森七菜と呼んでいるだけなのだが。
「昔、アキレスという名の恐ろしく俊足の人と、かわいそうなほどに足の遅い亀がいました。二人はある対決をすることになりました。
アキレスが90メートル先にいる亀と徒競走をするというものです。ルールはシンプルであり、アキレスが亀を追い越したら、