業務効率化の3つの視点「なくす」「へらす」「かえる」
オレンジピーチのトシです。
GAS(Google Apps Script)や生成AIを使った業務効率化などを発信しています。
さて、みなさんは、自社や自所属の業務改善を行う際に、すぐに改善活動に着手していませんか?意気込みには賞賛を送りますが、少し立ち止まって、NHKの視点で対象業務を考えてみましょう。
業務改善のNHK
急に出てきたNHKというワード、もちろん、某公共放送のことではありません。
業務改善を進めるための3つの視点である「なくす」「へらす」「かえる」の頭文字を取ったものです。
(似たようなものに、ECRSというフレームワークのもありますが、私は一度聴いたら忘れない、NHKの方を多用しています。)
3つの視点をもう少し詳しく紹介します。
なくす: その業務自体を無くせないか?
「それが出来れば苦労しないよ。」と思った人、居ますよね。
でも、「その業務を無くせないか?」と深堀してみたことはありますか?
過去からの惰性で続けている仕事は少なくありません。
実際に、話を伺ったことがある事例では、ある部署の若手社員の仕事の一つに、その月に部署のメンバーが提出した技術書類の数を集計して、部署内に発信するという仕事があったそうです。
その業務を効率化したいと考えた若手社員はGASを勉強して、スクリプトを組み、集計や配信を概ねGASで出来るようにしました。
話を聞いた先輩社員は、ぜひ部長にも報告しよう(そして褒めてもらおう)と、会議の場で若手社員に説明の機会を設けました。
その会議にて、まず、若手社員は、集計や配信の業務が大変であること、その割には配信した内容が有効に利用されているか不明なことなどの説明を行いました。
そこで、部長が割って入ったそうです。「君に、そんな苦労をかけていたなんて知らなかった。技術書類は必要タイミングでチェックできるよう共有フォルダに入っている。これからは、集計や配信は行わないようにしよう!働き方改革だ。」
その後、GASで効率化した説明を行ったそうですが、結論は、集計・配信の廃止だったそうです。
若手社員は「GASを学ぶきっかけが出来て良かった」と話していましたが、NHKの視点の大切さを感じた事例です。
へらす: その業務の頻度や内容を減らせないか?
事例としては、毎週行っていた会議を月1回に変更する。
都度対応で処理していた事務作業を、週1回まとめて処理する。
電話での問い合わせを減らすために、Googleフォームでの問い合わせ窓口を作ったり、FAQを充実させたりする。といったものなど。
社内業務でのGoogleフォームでの問い合わせ対応は有効な事例です。
電話だと記録も残らず、PDCAが回らなかったものが、問い合わせ内容がスプレッドシートにデータベースとして蓄積されるので、FAQに追加したり、特定の部署に対して説明会を行ったり、結果として電話問い合わせが激減する活動になりました。かえる: なくすこと、へらすことが難しいと、分かった段階で、はじめて「かえる」の検討です。
GASで自動化したり、手順を変えたり。
しかし、業務を変えること自体は、一時的に業務負荷増となるため、トータルして業務効率化につながるかどうかの見極めが大切です。
やり方が変わったけど、作業時間も変わらず、作業負荷も変わらなかった。というような残念な事例もあります。
また、仕事のやり方や順番を変えることで、ある工程では改善するが、別の工程では改悪になってしまうこともあります。
(このあたりの内容については、改めて別の記事にしたいと思います。)
まとめ
なくす、へらす、かえるというNHKの視点を持つということは、業務をゼロベースで見直す視点を持つということです。
いまが当たり前と考えては、新たな視点での検討が思いつきません。
そんな時には、自部署以外の人や、社外の人に業務を見てもらうのがおすすめです。業務を知っている・知らないに関わらず、新しい視点での気づきは改善のきっかけになる可能性を持っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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