佐藤 光宏

1級造園施工管理技士。キリクイという屋号で庭づくりの仕事をしながら、2023年4月設立の労働者協同組合キフクトの創立メンバーの一人として活動中。

佐藤 光宏

1級造園施工管理技士。キリクイという屋号で庭づくりの仕事をしながら、2023年4月設立の労働者協同組合キフクトの創立メンバーの一人として活動中。

最近の記事

花咲く庭にだいこんを#3 「菜園の視覚的な秩序」

庭で野菜を育てようと決意して、まず最初に思いつくのは、野菜を育てるスペースに枠をつくることかもしれない。 ヤマボウシとか、ドドナエアとか、バラとか、ミヤコワスレとか、ウェストリンギアとかが植わっている庭に、たいていは四角く区切った場所を用意し、ここから内側は野菜のみが生育する権利を有すると庭の植物たちに宣言する。 庭の菜園に、本当に枠は必要なのか?  レイズドベッドのメリット 通常、野菜を育てる場合、周囲より少し土を高く盛って、畝(うね)を立てる。野菜の種類によって異な

    • 労働者協同組合を考える#3 「オキュパイと協同組合」

      2022年秋に法律が施行されて設立が可能になった「労働者協同組合」について考えている。 一つ目の記事は、日本の労働者協同組合法にも定められている3つの基本原理について書いた。2つ目の記事には、17世紀にカリブ海を荒らしまわった海賊たちと労働者協同組合の共通点について書いた。 ただ、少し先走り過ぎたような気もしている。 労働者協同組合がなぜ注目に値するのか、僕自身が関心を寄せている理由を探りながら、あらためて考え直してみたい。 世界的な抗議行動 2011年は、多くの日本人

      • 花咲く庭にだいこんを#2 「不耕起栽培リジェネレーション」

        庭で野菜を、それも不耕起(土を耕さない)で育てる、という話題で書いている。昨年(2022年)くらいから、不耕起栽培という話を抵抗なく受け入れてもらえる素地が整ってきたような気がする。今回は、不耕起栽培をめぐるイメージの変化とその実践の入り口について。 不耕起栽培のイメージが変わった 不耕起農法について世間がどのようなイメージを抱いているかを具体的に言うことはできないけれど、2022年を境に大きな変化があったように感じる。その種の分析は荷が重いので、ともかく自分の変化につい

        • 労働者協同組合を考える#2 「海賊モデル」

          「海賊」と聞いて頭に浮かぶイメージはどんなものだろうか。  たとえば『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウ、『ピーター・パン』あるいは『ジェイクとネバーランドの海賊たち』のフック船長、『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィ、黒ひげ危機一髪、『宝島』のジョン・シルバー、北欧のバイキング、『村上海賊の娘』の景、『ひょっこりひょうたん島』のドン・ガバチョ……。ん? ガバチョは海賊じゃないか。 海賊と一口に言っても、場所も時代も、そのあり方も多種多様でひとくく

          花咲く庭にだいこんを#1 「庭に野菜を植える」

          庭の仕事をするようになったのは、どちらかといえば「仕方なく」という話になる。学生時代に、“自然”と触れる仕事をしなければならないと思った(たぶん。何しろもうずいぶん前のことなので……)。そこで、農業がいいと思った。ただ、20年前はまだ新規就農の壁はずいぶん高かった。縁もゆかりもない土地に移住して農業にチャレンジするだけの意気地はなかった。 そこで、都市に暮らしながら触れられるもっとも身近な自然であるところの庭に目をつけた。そんなことだったと思う。 だから、庭は自然と人が交流

          花咲く庭にだいこんを#1 「庭に野菜を植える」

          労働者協同組合を考える#1 「3つの基本原理」

          労働者協同組合は3つの原則に従って運営される 働く人自らが共同で事業を運営していくWorker Cooperative、労働者協同組合についての法律が2022年10月1日に施行された。 労働者協同組合とはどのような組織であるのか、その3つの運営原則を確認しながら考えいく。 ①組合員が出資する 株式会社は、株主(=お金を出した人)の声が一番大きくなる仕組みになっている。だからこそ、雇用され働く人の権利を守るための法律が存在し、その遵守がうるさく求めらている。 労働者協同

          労働者協同組合を考える#1 「3つの基本原理」

          庭のこと、働くということ

          こんにちは、佐藤光宏と申します。 インターネット上に星の数ほどある情報のなかから、このページを見つけてご覧いただき、本当にありがとうございます。 せっかく来ていただいたのですから、時間と電気の無駄とならないように、おもしろいと思っていただけることをご提供できたらと思っております。 どうぞよろしくお願いします。 ここでは、大きく2つのテーマについて書いていくことになると思います。 一つは、庭や植物の話。 といっても、「裏技テクでお庭をワンランクアップ!」みたいなお役立ち情報

          庭のこと、働くということ