”Hotel du Cap Eden Roc”(3)富と名声を手に入れた先に望むもの

”Hotel du Cap Eden Roc” 南仏の高級ホテルで数々の著名人が利用した海沿いのリゾートホテルだ。著名人の著名度が半端ないのがこのホテルで、
一度同じ景色をみてみたいという憧れが常に自分の中にある。

以下宿泊されたとされる方々(出典:wikiやAI検索)

ウィンストン・チャーチル(元イギリス首相)
ジョン・F・ケネディ(元アメリカ合衆国大統領)
ウィンザー公爵夫妻(エドワード8世とウォリス・シンプソン)
ピカソ(画家)
・シャガール(画家)
F・スコット・フィッツジェラルド(作家)
オードリー・ヘプバーン(女優
アーネストヘミングウェイ(作家)
・シャルル・ド・ゴール(軍人)※パリの空港の名前の由来となった人
・マレーネ・デートリッヒ(女優)

全員知ってる人ばかり!!!

公式ページを調べたらまもなく150周年を迎えるホテルだという。
身近なところだと2020年で帝国ホテルは130年ということなので、それより少し古いホテル。ということだ。
このホテルには紋章があって、上から下に向かってイタリア、ロシア、イギリス、スイスを表しているそう。

スーパーな著名人は言うまでもなく有り余る名声と富は十分に持つ人ばかりだ。このホテルの公式ページをじっくり読み進めていくと、そんな彼らが望むものは何なのかを、教えてくれるような気がした。

このホテルはOETKER COLLECTIONという時代を超えて語り継がれる優雅なホテル群のひとつなのだが、そのホテルを紹介する序文
『Living the Dream』の日本語訳を紹介したい。

~マスターピースホテル(時代を超えて語り継がれる優雅なホテル)とはいかなるものか?
その答えはおそらく主観的なものですが、『Living the Dream』の序文で、俳優のリチャード・E・グラントはそれをうまくまとめています。「素晴らしいホテルは、夢のような逃避行であり、戻ってくるという経験は、生涯の友人を何度も何度も訪れるようなものです」と彼は言います。


逃避行?現実で成功してるじゃないか、富と名声があるのではないか?それなのになぜ現実からそこから逃げる必要が??と不思議に思ったのである。

彼らは【夢のような逃避行】の為に、この類のホテルを訪れ、そして戻ってくる。…

人生いわゆる上がった人達が、その先何を考えるかに非常に興味があるのだがこの文章からいくと

~答えは【夢のような逃避行】をする人々がいる…
ということ。

ここでいう夢のような逃避行とはいかなるものか。

ホテルで過ごす期間は、お金を支払えば望むサービス、望む食事、望む景色、望むパートナーを得られるということか?

何度も訪れたくなる場所ということで、たとえ生涯の本当に信頼できる友人がいなかった場合でも、その心からの友人達を【演じてくれる】人がいる舞台へ上がりにいくということか?

ありあまる富を使って契約された、そのユートピア(永遠に裏切られない舞台)へ。

自分の中にある、ある種の何かをシャットダウンすれば、この生き方については非常に腑に落ち、支持したい。

光の輝きが眩いほど、闇も深くなる。
金銭で繋がる関係はシンプルで、クールである。


細々調べていくうちに、このホテルにちなんだ香水があることがわかった。私が調香師なら、眩い表の部分だけでないものを暗に表現したくなる。微かに薫らせる。

実際商業的に成功している香水にも、良い香りを際立たせるのに、エッジの効いた香りを混ぜ込む事があると聞く。

次回はこのホテルをモチーフにしたクリスチャンディオールの香水について書いてみよう。