友だちと片道ファーストクラス旅行~出発する直前までのおはなし
理由があって、文字通りファーストクラスで「出発する直前」までの話である。
貯めていたマイレージの特典航空券交換で、行きがビジネス、帰りファーストの欧州旅行が実現した。初期の頃よりいくぶん効率良くマイルを貯められるようになっていた。
運よく2席空きがあり、友達と同じ便のチケットの予約ができた。
帰国便のファーストクラス。それはそれは楽しみにしていた。ワインリストに Dom Perignon=ドンペリがあった。
ロンドンヒースローからの帰国。空港利用税が高額なので、避けたかったのだが。しかたがない。空港のラウンジは、同じファーストでも、どの空港を利用するかで、差が生じるがヒースローは良いほうだろう。
ヒースローのファーストラウンジでは、ビュッフェ以外に個別で食事を注文して、調理されたものを、個別にサービスしてもらえた。
機内での食事もあるので、多少は控えようと思ったが、欲望に逆らえず
普通にアラカルトで興味の赴くままに色々頼んで、結局シャンパンと平らげた。
高揚した気分で機内に搭乗した。
エコノミーより、ビジネスクラスより、早い搭乗。
一番前の座席で友人と隣り合わせ。ウエルカムのドリンクが振舞われる。
ドリンク、ミモザだったか。
パジャマ、、ではなく「リラクシングウエア」への着替えを促され、順番に着替えの案内を待つ。これ、誰が考えたんだろう?ちょっと不思議な習慣だと思う。本当にリラックスできる。自宅にいるみたいだ。これで、着てきた服がしわにならずに済む。ちなみにこのウエア持ち帰りできるのは良く知られている話。
ファーストクラスでは、着替えが完了し、飲み物を飲みリラックスしている間にビジネスとエコノミーへの乗客の搭乗が完了。
そろそろ飛行機が動いてもいい頃だが、なかなか動かないのでおかしいなと思っていた。
その時アナウンスがあった。
機体に不具合があるので、安全上の理由で、その日の便が欠航となることに決まったのだ。
え?
もし飛んでたら事故になっていたかもしれないという事だ。
飛行機について、いつも平気なのだが、怖いなと、その時はさすがに感じた。
機内に乗り込み、着替えて、飲み物を楽しんでいたのだが、
録画の巻き戻しでもするように、「リラクシングウエア」から、
自分の服に着替えて、機内を後にした。
夜便だったので、航空会社が、ホテルを手配してくれ、そのホテルで夕食、朝食、昼食が提供される事になった。
さて、この時、マイルでファーストクラスだった私たちへの扱いは
その他大勢の乗客と一緒だった。部屋も至って普通のノーマルタイプのツインの部屋。スイートなどではない。
振替便について、連絡が来たのはその日の深夜だったか。
翌日の夕方に振替便が飛ぶ事になった。
飛行機の恐ろしさに直面しながらも、再び空港のファーストラウンジ利用できるなどと能天気な事を考えながら、その日は眠りについた。
いつかまた続きを書くつもり。