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28. 拝啓 吉本興業様
僕のnoteでは、過去の芸人時代の体験をもとに、その時々で感じたことや思いを物語として綴っています。
本日のテーマは、「推したい会社」です。
推したい会社
「推したい会社」というテーマを聞いた瞬間、僕の頭の中にははっきりと答えが浮かびました。
それは吉本興業です。
そうです。お笑い界の巨大事務所として知られる、あの吉本興業です。一ファンとして、そして一時期所属していた者として、苦しい時にどれほど元気をもらったか分かりません。
僕が吉本に所属していたのはNSC卒業後の2008年から2011年でした。その期間に僕の吉本興業への愛は始まりました。
吉本を退所してから14年という月日が経った今でも、あの頃以上にその愛は深まり続けています。
吉本の劇場と笑いの力
大阪に行けば、つい足を運んでしまうのがなんばグランド花月(NGK)や漫才劇場です。
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舞台に立つ芸人さんたちの姿を見ていると、当時の自分の姿がフラッシュバックし、懐かしさとともに、「やっぱり吉本ってすごいな」と感動せずにはいられません。
吉本興業は各地に劇場を持ち、芸人さんたちがネタを磨ける場を提供しています。その結果、吉本の芸人さんたちは笑いを届けることに真摯であり続けられる。観客の心をわしづかみにする舞台の力、それこそが、当時の僕が憧れた吉本の「笑い」そのものです。
吉本を、離れて14年という時間が過ぎても、あの場所で過ごした時間や学んだこと、そして一緒に笑いを追いかけた仲間たちは、今でも心の中に鮮やかに息づいています。
憧れから挑戦へ
僕が初めて吉本興業を意識したのは、お笑いのネタ番組に夢中になり始めた高校生の頃でした。
それまでは、誰がどこの事務所に所属しているかなんて気にしていませんでしたが、吉本の芸人さんだけは何となく雰囲気でわかるような気がしました。
ダウンタウンさんをはじめ、そうそうたる芸人さんたちが集まる場所なんだと感じたのを覚えています。
その後、自分がお笑いを始めたとき、吉本だけは競争が激しすぎるから避けようとも思いました。実際、僕はインディーズ事務所での活動で芸人を始めました。
その気持ちは次第に吉本に勝つという気持ちになり「アンチ吉本」とも言えるような感情に変わっていきました。そのくらいの気持ちがないと吉本芸人には勝てないと思ったからです。
そんな僕が初めて吉本に出会ったのは2007年春のことでした。
NSCでの青春の日々
2006年に暮れに前所属事務所がなくなってしまい、相方とも解散をして「さーどうしよう」となった時に再スタートを切るなら吉本興業しかないと思いました。吉本でダメなら諦めもつくだろうと挑戦を決意したのです。
2007年春、東京NSC13期生として、新しい世界の扉を開きました。僕は、期待と不安を胸に憧れの「笑いの王国」に飛び込みました。
当時の僕はまだ何もわからず、ただ夢中で走り続けていました。
NSCでの授業は厳しくも刺激的で、漫才やコントの基本から、どうすれば笑いが生まれるのかを学ぶ日々でした。
毎日が挑戦の日々でした。作家の方々や先輩から学ぶ機会はもちろん、同期たちと夜遅くまでネタを作ったり、笑いながらも真剣に議論した時間は、僕の青春そのものでした。
吉本から離れても
2011年春、僕は吉本興業を退所することを決断しました。
そのときは正直、迷いや葛藤もありました。それでも、吉本での4年間で培った「諦めない心」や「笑いへの情熱」は、退所後の僕の人生をずっと支えてくれました。
現在は別の道を歩んでいますが、あの経験がなければ今の僕は存在しません。
吉本興業は、僕にとって挑戦の場であり、成長の場でした。
賞レースの予選で勝ち上がれず涙した事。
たくさんの芸人さん達に出会えた事。
舞台でお客さんに笑ってもらえた事。
そのすべてが、僕にとってかけがえのない経験です。そして、吉本興業は今でも僕にとって「帰る場所」のような存在であり続けています。
そして何より、たくさんの夢と笑いを与えてくれた場所です。
これからも、吉本興業が多くの人々に笑顔を届け続け、才能を育む場であり続けることを心から願っています。いつの日かまた、何らかの形で吉本興業に恩返しができる日を夢見ています。
敬具
映像化への想い
いつかこのnoteを書籍化、映像化してほしいと、本気で願っています。
僕は芸人を辞めてからの10年間、言葉にし難いほど苦しい日々を過ごしました。
その闇の中でどうにか息をし続け、そして少しずつ光を見つけて解放されていった体験。
それを、自分と同じように苦しんでいる人たちに届けたいと思っています。
誰かが寄り添ってくれることで、人は必ず救われる。
そんな確信があります。
時には冗談めかして、「吉本さん、お願いします!」なんて言ってます。
けれど、心の中では真剣なんです。
僕のnoteがもっと多くの人に届き、広がることで、苦しむ誰かの心が少しでも軽くなる手助けになれば。
そんな期待と願いを込めて、これからも書き続けていきます。
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